■美和編■
7日目【7月27日】


 
 
Marine Blue Serenade
7日目

【 朝 / 昼 / 夕 / 夜 】

◆7月27日<朝>◆
『町を去る日』


 

 


「邪魔したな。姉貴」
「これでうるさいのがいなくなるな。よかったよかった」
「あのなぁ…。あ、康太郎義兄さんも、お世話になりました」
「ああ。よかったら来年もおいで。今度は例の彼女とでも」

 めずらしく冷やかしを入れる康太郎さん。それを俺は笑って誤魔化すと玄関を出る。

 いよいよ、一週間過ごした姉貴の家から自分の家に帰る日が来た。この街に来てからいろんな事があったよな。

 俺は一生忘れないであろう夏の一週間を過ごした家を振り返る。
 少し名残惜しい。わずかな間に愛着がついちゃったかな?

 そんな事を思いながら俺はバス停へ向かった。