Marine Blue Serenade
■3日目■
【 朝 / 昼 / 夕 / 夜 】
◆7月23日<朝>◆
『パーティーへの誘い』
涼しくて気持ちのいい朝だなぁ。
さてと…今日は何をしようか。特に予定もないし、また天乃白浜のほうでもぶらつくか。
借りてる2階の部屋から外を眺めながら考える俺。
「まこと。ちょっと来なさい」
突然、リビングの方から姉貴が俺を呼ぶ声がした。
俺は面倒くさいとなと思いつつ、階段を下りてリビングへ向かう。
「な、なんだよ姉貴」
「ちょっとこれを着てみな」
姉貴は俺に高そうなスーツを手渡す。
「なんだよ、これ? 俺にくれるのか?」
「そんなわけないだろ? いいから、さっさと着る!」
「へいへい」
まったく、姉貴はあいかわらず訳がわからんと文句をいいつつ、俺は部屋に戻ってスーツを着てみた。
「やはりな。ぴったりだ。まこと、康太郎とサイズ変わらないな」
「わぁ! 急に入ってくるな!」
振り向くと襖を開けて俺の背広姿をまじまじと見る姉貴。気持ち悪いな。少しは遠慮しろ姉貴。
「まこと。これなら今夜のパーティーはOKだな」
「そうだな…って、なんだそのパーティーてのは」
「言ってなかったか? まことは康太郎と一緒にシーサイドパークの2周年パーティーに出るんだ」
「なんだそれは! 全然聞いてないぞ。そもそも俺は忙し…」
「い・や・な・の・か?」
うっ…。姉貴、鬼のような形相で睨んでるぞ。こういう顔をした時に逆らうとろくな目にあわないのを、俺は良く知っていた。
「タダで泊めてやってる優しいお姉さまの頼みが聞けないっていうのだな。へぇ〜、そう。じゃぁ今日で帰ってもらおうか」
感情なく言う姉貴。こりゃぁ本気だぞ。下手にさからわない方がいい。
「くぅ〜、姉貴卑怯だぞ」
「ははは! じゃぁそういうことで、今晩はしっかり社会勉強してくるんだぞ」
まっ〜たく、姉貴の奴、相変わらず横暴な性格してるぜ。
まあ、特に予定は入ってないから、別にいいけどさ…。
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