■真澄編■
2日目【7月22日】


 
 
Marine Blue Serenade
2日目

【 朝 /  /  /  】


◆7月22日<朝>◆
『みんなで海水浴』




「それで、このビーチボールを落とした人がアウトな訳」

 由希子さんが少し大きめの赤いビーチボールを片手に言う。

 今日も空は見事な晴天。
 俺は昨日の約束通り朝から天乃白浜海水浴場に来た。先に来ていた真澄ちゃんたちと合流し、すぐに着替えて4人で海へ繰り出したのだ。

 そして,由希子さんがビーチボールでバレーをしようと言い出し、普通にやっても面白くないから、膝まで海に浸かった状態でやろうという事になった。

「遠くに飛ばしちゃった人もダメね。判定は私がやるから」
「わかったわ。それでは、早速…」

 真澄ちゃんがそう言ってビーチボールを手に持つ。そんな彼女の制して由希子さんはチッチッチと指を振る。そしてなぜが胸を張って答えた。

「アウトの人は罰ゲーム!」
「どんな?」

 俺が聞き返すと彼女は待ってましたという表情をした。

「頭から海に投げ込まれちゃう!」
「ええええ〜!」

 楽しそうに言う由希子さんに残りの3人から非難の声があがる。

「なに? 他になにかいいアイデアでもある? とにかくやってみるわよ」

 ウインクしながら言う由希子さん。
 いまいち不安なまま海に入る俺達。膝下くらいまで入ると散らばってお互いの距離を取った。

「それじゃ、行くわよ〜」

 由希子さんはそう言ってビーチボールをアンダーサーブの要領で叩き、空へ放つ。落ちる先は真澄ちゃんの前だ。
 難なくトスする真澄ちゃんだが、ボールは少し大きく楕円を描いて俊治さんの後ろへ。思わずスライディングでレシーブする彼。ボールは跳ね上がったが本人はそのまま海の中へ派手に沈没する。

 …ってボール、俺の方に来てるよ!
 それも俺と由季子さんとの間、微妙な位置に落ちそうだ!