備え付けの目覚ましで、目を覚ました私たちは、いそいそと朝の支度をして、今日予定していたオプショナルツアー「シーウォーカー」に参加する為に、ロビーに降りる。
部屋を出る前に一人1ドルのチップを置いていくのも忘れない。このチップってヤツ、いたるところで使わなきゃいけないんだろうなぁと覚悟していたが、結局、払ったのはこのルームメイドのサービスに対してだけだった。あとは料金にサービス料が加算されている所ばかりだったのだ。
やはりハワイは観光の島なので、日本人などにはなじみのないチップ制度を出来るだけやらないようにしているのかもしれない。
朝の7時半。予定通りに迎えのバスが来た。バスはそのほかのホテルでもツアー参加の観光客を拾い、ガイドのお兄さん(多分日本人の方)説明と注意事項を告げられつつ、海へと向かう。
参加者は6人1組のチームに分けられる。私たちは1番の組になった。若いカップルと女性2人のチームだ。
残念ながら詳しい場所は分からなかったのだが、3、40分ほどバスで揺られて、郊外の小さな港に付く。
天候は曇り。あまりいい天気とはいえないが、逆に暑くなくて、日焼けもしにくく、いいのかもしれない。
漁船が係留してある場所で海をのぞき込む。
う〜ん、水が澄んでいて綺麗……なんて思いつつ底にいるものにゾッとする。
釣りの餌なんかで使うゴカイの化け物がたくさん。ゴカイというよりムカデだろうか?
60cmほどある。あんなのを足で踏んだ日にゃ、あーた。うう、考えるだけで寒気がする。
この港から船で5分ほど行った珊瑚礁に係留してある船。そこにシーウォーカーの設備はある。
まずは母船(50人乗りくらいの小型船)で沖まで出るのだが、我々1番の組はいきなりモーターボートに乗せられた。
まずはジェットスキーをするそうだ。
足の遅い母船より一足早く沖に出る。それにしても寒い。ボートのしぶきがかかった体には、風が冷たい。
しばらくすると、沖に駐留している筏にジェットスキーがつないであるのが見えた。
そこで降ろされる。アメリカ人の髪を赤く染めた兄ちゃんがインストラクターとして乗っていた。
この兄ちゃんがまた妙に明るい人で、我ら日本人はついていくのに必死だった。
男と女に別れて2回に分けて乗る。
まずは男性陣から。一人目はカップルの男性のほう。インストラクターが彼を乗せていると、よせばいいのにI氏が勝手にジェットスキーに乗り込もうとして海に落ちた。ライフジャケットを着ているから心配はなかったが、とにかく引っ張り上げる。
驚いてやってきたインストラクターの兄ちゃんに
「ユー、クレイジー、ボーイね!」
とからかわれた。
そんなこんながあって、いよいよジェットスキー初体験である。
日本では船舶免許がないと乗れないので滅多にないチャンスだ。以前から海とか川とかで乗っているのを見かけて運転してみたいとは思っていたが、思わぬ所で機会を得る事が出来た。
3つのブイのまわりを回るのがコースだが、最初はゆっくり1周。
慣れて来た所でアクセルを全開にする。ジェットスキーのノーズがぐっと持ち上がりけっこうGがかかる。ハンドルをしっかり持っていないと振り落とされそうだ。しかも波でジャンプするので上下にも揺さぶられる。直線でアクセル全開、コーナーではきちんと減速しながら(減速しないとマジで怖い)10分ほどジェットスキーを堪能する。
その後、女性陣と交代。さすがに女性陣で全開に飛ばす人はいない。非常にゆっくり周回が行われる。インストラクターの兄ちゃんは「ハヤクー!ハヤクー!」と煽っている。
ジェットスキーが終われば次はバナナボードだ。
黄色い棒のようなゴムボートの上に乗って、それをモーターボートで引っ張るというヤツである。
これはボートの動きに合わせて体重移動しなければ転覆するそうで、みんな必死になって体を傾けていた。最初の方は楽しそうだった女性陣も、最後のほうになると半泣き状態。S字に振られたときなんかはちょっとヤバかった。
私的には楽しかったが女性陣は「もういい」と連呼。
バナナボートが終わると、一度ジェットスキーの筏に戻されて、そのあとカヌーでやってきたほかの組と入れ替わりカヌーに乗って、すでに沖に停泊している母船に戻る。
このときは元海洋クラブの本領発揮!なんて思ったりしたが、他の人は適当にこいていたので辞めた。自分だけ頑張っても仕方がない。