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 『迷宮美術館2周年直前の所信表明』 1999年9月9日



 その山の頂きに着いたとき私の前にもっと高く険しい山が現れた。振り返ると、今まで登ってきた山は実は緩やかな丘。ここを登って初めて本当の山の存在に気づいた。私はそれを見上げて愕然となるが、それでも登らなければならないと思った。
 私の今の心境はこんな感じでしょう。絵を描き始めて約13年、CGを初めて約5年、ホームページを初めて約2年。目指すべきものが見えてきた気がします。

 ここに来てやっと、CG作家としてウェーブマスターとしてスタートラインに立てたなと思えるようになりました。原画を描くときもだいぶ迷いが無くなったし、フォトショップも基本的には使いこなせるようになりました。いろいろ不満もあれど、やっと人に見せられるような作品が出来てきたなと、完成した作品に手応えを感じてます。
 また、その上で、いろいろな課題が見えてきたし、自分がどんな作品を望んでるのか、そしてこれから何をしなければならないのかが分かってきた気がします。

 ホームページの運営の方も、いろいろな本を読んだり、他のサイトを研究したりして、なんとなく分かって来た気がします。私はホームページを始めたいがためにインターネットを始めた人間です。(友達などからは珍しいタイプだと言われた)「ホームページとは何ぞ?」という事をろくに知りもしないで作り始めたのです。だから最初の方は全然人が来てくれませんでした。それは今考えると当然の事なのですが、当時はかなり悩みました。そして私はホームページの運営自体も勉強をしなきゃいけないと思ったのです。

 いろいろな本を読んで勉強して思いました。「html文を覚えるより、ホームページの運営とはなにか?を勉強するほうが大切である」と。
 htmlの知識は確かに必要ですけど、いざとなればホームページ制作ソフトという便利なものがある。それにhtml自体は数時間もあればマスターできる。
 問題はホームページをどう運営していくのか?人が来るページにするには?見やすいページとは?などウェーブマスターとして”いいホームページ”を作るにはどういうふうにやっていかなきゃならないかという事だと思います。ハードよりソフトが大切とでもいいましょうか?ゲームでいえば、いくら凄いCPUやグラフィックボード、音源などを積んだゲーム機でも、それで使える面白くて魅力あるソフトがなければただの箱というみたいなモノです。

 なんだか話がそれてしまいましたが、2年という運営期間の中で私なりに「ホームページとはなんぞ?」という事が見えてきた気がします。
 この間の「運転に自信がつくぺージ」と「写真展示室」の閉鎖はそういったホームページに対する姿勢の変化から来たものです。

 ゆうなぎはこのホームページで何がしたいのか?なにが目的で運営してるのか?そう考えた時に一番の目的と言えるのが魅力ある美しいCG(イラスト)を描けるようになるって事です。私の創作活動の原点は、本当に美しいものを見た時の感動、魅力的な何かを見たときの心の衝動、そんなものを伝えたくて創作活動を始めたのです。私は芸術とかには疎いし、絵画の見方とかよく分からない。しかしアニメ調の絵ならよく分かるし、身近にたくさんあるし、心惹かれる。
 だからこういった絵を極めたいと思ったのです。

 私は複雑なものよりシンプルなものの方が好きです。凄いけど複雑難解で分かりずらいものよりも、シンプルで分かりやすく、一目見て綺麗だなと思えるものが好きです。
 そもそもイラストとは分かりやすくなければならない、というのが私の信念です。イラストとは元々、文章を補佐する役目を負っているもの。だから分かりやすく見やすいことが大前提だと思うんです。そのなかで。魅力的に見せるためにいろいろと工夫してゆく。見やすさが一番で、技術や芸術性はその前提を満たした後にあるものだと思うのです。

 だから私はあんまり書き込まれた絵は好きじゃない。凄いとは思えど、いまいち心動かされない。確かに遊び線とか必要でしょうけど、やっぱり余計な線があると綺麗だとは思えなくなる。これは「物事ははっきりしないと嫌だ」という私の性格が反映されているのでしょう。
 シンプル過ぎるのもなんなのですが、極力、無駄な線は省いてあった方が私は好きですし、そういう絵を目指したいと思ってます。

 「美」というものは、私にはまだよく分からないけれど、追求する価値があるモノだと思います。よく”それはきれい事だね”とか”美しさとはしょせん虚像(嘘、偽り)である”とか、私たちは美しさに対してよく否定しがちです。
 確かに現実というのは汚れてるし、そういうものをあえて芸術にしようというものもあります。でも、私はそれらを受け入れた上でなお「美」というものを追求したいと思っています。

 理想と現実。その関係の中に美への姿勢が隠されていると思うのです。
 私の望む「美」というのは「理想」という事だと思います。私の言いたい事をわかりやすい喩えで言うなら、理想(美)とは全世界が平和であると言うこと、現実は事実上それは無理だということです。
 武器を持ち、力で他国を押さえつけようという事を世界中の国々が一斉に止めない限り本当の平和など訪れない事は事実です。お互いの武器で牽制しあって危ういバランスの上に平和が成り立っている事実。
 それらの事を理解しないで世界平和を唱えるのは愚かな事だと思いますが、それを理由にあきらめて戦争を肯定してしまうのはそれ以上に愚かな事ではないでしょうか・・と、話が横にそれてしまいましたね。

 とにかく、最初から否定してしまえば何事もなされないのです。理想を持ってそれに対して動けば1%でも可能性が出てくるのです。諦めてしまえば0%です。1と0の違い、おわかりになりますね。
 そういった姿勢が私の信念なのです。だからあえて私の作品は「美しさ」前提にして描いていこうと思うし、ストーリーなどを書く時も最後には必ず「救い」がある物語を書いて行きたいと思ってます。

 私は現実の厳しさを受け入れた上であえて理想を求めようと思っているのです。 現実に打ちのめされ理想を持つ事を忘れてしまう事は、非常に悲しい事だと思います。汚れた現実の中に美を見つける。厳しい現実の中にいるからこそ美を求める。それは愚かなことなのでしょうか?
 それがどういうふうに思われるにせよ、私は私の理想を追い続けてゆくつもりだし、手応えのある人生を送る為にCG(イラスト)や物語つくりを中心とした創作を極めて行きたいなとこの頃、強く思っています。

 だからこれから自分のCG(イラスト)などの技術を上げるためにどんなことでも貪欲にやっていきたいと思ってますし、自分の作品に対する姿勢も必要があればどんどん改めていきたいです。
 注意して見れば世の中には素晴らしい作品を描かれる作家さんが大勢います。 私など足元にも及ばないくらいに。その人たちから学ぶ事はたくさんあり、そういう作家さんたちとの出会いは凄く嬉しい事だと思ってます。絵を描くにあたってそう言った出会いと感想をもらう事は、創作をやっている上でこの上ない刺激になります。

 とりあえずはその人たちと同じステージへあがれるよう頑張りたい。私は自分の腕が未熟な事を重々承知してますが、いずれ上手くなれる、納得がいく作品を作れるようになる、人を惹きつける作品を描けるようになる、そう思ってますし、それに向けて出来る限りの努力をしてゆくつもりです。

 どうぞ、これからもよろしくお願いします。