30周年、それは馬場に捧げられるべきで、誰しもが馬場に対してお祝をすべきだ。
馬場の意固地と執念深さ、そして一部の物好きで成り立っていたプロレス団体。
新日本ほどのわかりやすさを持たず、説得力もなく、ファンをどこかに導こうともしないで、ただプロレスを突き詰めていこうとしていたのがいつの間にか「王道」となった。馬場が求めたのはプロとはなにかということで、それが尊ばれずに、話題やスキャンダルだけで客を呼ぼうとすることを嫌った。
馬場さんの全日本は終わってしまったようでいて、終わっていない。
馬場さんのプロレスから逃れようとしても、それはなかなか難しい。
猪木でさえ、馬場という対立軸があったからこそ自分を際出させることができていたんだから。
馬場さんはもっとプロレスを、WWEみたいなのではなくてあくまで自分のプロレスを主張したかもしれない、こんな状況になったとしても。ただ淡々と、ファンの声に耳を傾けながら。