LAUGHIN' NOSE

85年インタビュー

メジャーいった直後のインタビュー

IND'S4号掲載から

85年11月19日 バップにて

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メジャーからアルバムをだすことで何か変ったことはありますか?

チャーミー 
よくいわれるんですが、インディーからメジャーに移ったということを意識して作ったといことはまったくないですね。今度のアルバムも、インディーズで出したとしても同じコンセプトだったと思います。

いわゆるパンク・バンドの音とは違う気がするんだけど

チャーミー 
いろんなパンクってあると思うんだけど、僕らの考えているのはよくいわれるパンクとは全く違っているんですよ。僕らのパンクスピリッツっていうのは、自分達で考えて、それでいいと思えば、それを実行してしまうということですね。自分達で始末をつけられるんなら何をやってもいい、みたいな。だからパンクはこうじゃなきゃいけないっていうのはない。

今度のレコードにしても”なんだパンクじゃないんだ”っていわれてもかまわないですね。パンクじゃなくても、ラフィン・ノーズなんだから。今度のレコーディングはそういった自分の中のモヤモヤしてたものが晴れてスキッと快調にできました。

マル 
パンクだパンクじゃないとかそういんじゃなくて、ようはどれだけ聞いてもらえるかっていうことだから。

チャーミー 
リスナーに合わせてつくったんじゃなくて、リスナーが聞いたときにどう感じるかということが問題だと思う。だからパンク・バンドの作品ではなくて、ラフィン・ノーズの作品だと思って聴いてもらいたい。ただ僕らは、いわゆるハードコア・パンクをやっていたころと精神的には変っていないと思っていいるけどね。パンクは終わっていないと思う。それにブームに関係なしに僕は僕なりに生き続けているし。

AAレコードの方はどうなるのかな?

チャーミー
もちろん今っもやってますよ。AAの方は、レコード会社っていう1つの組織ではなくて、1つのメディアとして考えてもらいたいんです。いろんなアーティストにメディアとしてどんどん使ってもらいたいし、だから大切にしていきたいですね。ただ、ラフィン・ノーズのメディアはもうAAじゃなくてメジャーになってしまってますけど。それに、いいにしろ悪いにしろ、インディーズ・シーンがあるというのは事実だから、そういうブームに流されているバンドもいるだろうし、それを利用して大きくなるバンドもいると思う。そういったいろんな意味でAAを使ってほしいと思ってますよ。

よくメジャーに移ると制約が大きくなるって聞くけど・・・。

ポン 
僕らに関しては制約は全くないですね。

チャーミー 
インディーズからメジャーに移って、つまんなくなっちゃうバンドがいるけど、根本的な考え方が違っていると思います。メジャーでデビューするために自分達の考え方を曲げるんだったら意味がないし、僕らはそれをまげたくないから、何度もミーティングして考え方を分かってもらって、本当に分かってくれると思ったから契約したんです。

でも、こういう世界に入って分かったんだけど、日本のミュージク・シーンは誰かがいろんなところでコントロールしていると思いますね。誰かがコントロールして吐き出させたメッセージが。回りでは一般的だと思われてるね。それをこういった世界にいて感じたから余計に頭にきてます。

ポン 
今の状況は何1つおもしろくないから、与えあられたものは沢山あるけど−−そんな中で僕らにできることは牙をむくことしかできないということですね。

そういうミュージック・シーンでどんなバンドになりたいと思う?

チャーミー 
僕らにとっては、キャロルとかピストルズというのは確かに衝撃だったんですよ。でもその後そういう衝撃的なバンドっていないと思うんです。だからラフィン・ノーズはそういった衝撃を与えるバンドになりたいですね。

マル 
今の中・高校生とか、変なところでさめていると思うんですよ。ライブにきても完全燃焼しきってないし、しようともしない。その場だけノッてて、終わるとすぐにさめてしまっているんだよね。それも屈折したさめ方をしている。それが本当に寂しいね。だからそういう奴らに、「さめてる場合じゃない!」って、ショックを与えたいね。僕らの音楽は歌だけでじゃなく、太鼓にしても何にしてもそれがメッセージでありたい。

その辺りでファンとの解釈の違いがでてくるように思うんだけど・・・。

チャーミー 
僕らのライブにくるのに、それなりの格好をしてくるのはかまわない。ただそれだけで終わって欲しくないですね。僕らのライブにきたなら、何かを得て欲しいですね。すごく陳腐な言い方かもしれないけど。僕らはそのために歌っているんだから。僕らの音楽を聞いたのなら、自分なりのパンク・スピリッツにめざめて欲しいと思う。

ポン 
そういう意味でお客さんに期待するものは大きいですね。

マル 
そうじゃないと僕らもつまらないし、変っていけないと思う。

影響されたものなどありますか?

チャーミー 
聴いていたものは、キャロル、ピンク・フロイド、デスチャージとかいろいろあったけど、自分の方が絶対におもしろいと思うね。多分それが自信を沸き出す理由だと思うし・・・。

マル 
僕はパンクスであるよりもミュージシャンでありたいね。

ポン 
俺は時代性に敏感であれば、聴いているものは関係ないと思う。

チャーミー 
時代っていうのは自分でつくらなきゃいけないと思うね。例えばピストルズしか知らなくても、自分というものを知っていれば、おもしろいのができますよ。まして僕はいろんなものを聴いてきたから、それができると思ってますよ。

ラフィンのテーマとかはあるのかな。絶対ラブソングは歌わないとか、そういったことでも・・・。

チャーミー 
僕はラブソングは否定していないですよ。できれば僕なりのラブソングを表現したいと思ってる。

テーマといえば、生活感のある音楽を作りたいですね。生活感というのは、キラキラした作られたものでなくて真実のものという意味で。パンクとラブソングはつながらないと思っているだろうけど、僕は僕らがやるラブソングだからもっと強いメッセージができると思いますね。だから否定しないでいつかもっと衝撃のあるラブソングをつくってみたいね。

それぞれにとってラフィン・ノーズは何なのかな。

マル 
やっぱり自分の人生において、絶対的なものを占めている。もちろ遊びじゃないもの。

ポン 
僕はいつでもカッコよくありたい。時代のスピードに遅れたくないし・・・。

ナオキ 
そういったものを全部上回るバンドがラフィン・ノーズ。自分にとってすべてがラフィン。

チャーミー 
これからずっとラフィンをやってゆくと思うんですよ。その中で大事にしていきたいのは、自分を観客にした時にそのもう1人の自分が自分を見た時にカッコよくありたいですね。つまり鏡に自分を映した時に鏡の中の自分もお互いにカッコよく思えるようにしたいということ。

ファンに対して何かコメントがあれば・・・。

チャーミー 
ラフィン・ノーズのファンであるなら、ラフィン・ノーズをラフィン・ノーズまかせにしてほしくない。これからの僕らは、でかいことをやるって公言しているんだから、見ているだけじゃなくて「それに一枚噛むぜ!」って気持ちで聴いて欲しいね。

ナオキ 
ラフィン・ノーズとともにっていう気持ちで聴いてほしい。

マル 
どんどん夢を見ていきたい。これから言葉にしてもライブにしても責任がでてくると思うしね。