ワンタッチボタン、無線マウス付きパソコン

 主にノートパソコンの例であるが、最近色々便利な機能が付いていることを目玉 にしているパソコンが売出されている。

 私の友人が、インターネット接続などのワンタッチボタン、無線マウス等の機能 が付いたノートパソコンを最近買い、初期立上げ時ハングアップしたので助けて くれと云われ、見せて貰った。 ハングアップの理由は、Windowsがまだ完全にセットアップされていないのに、 自動的にメーカ指定プロバイダーに接続登録させようとしてハングアップしてい た。

 Windowsの立上げなど一応使える状態にはしたが、メーカ指定の各種ソフトが自動的に組込まれ常駐し、デスクトップに沢山アイコンを作っていた。良く見れば初心者 には普通殆ど使わない機能のソフトが並んでいる。特にスタート領域に常駐のア イコンを沢山登録していた。 リソースをチェックしたところ、何も動かさない初期状態で約40%しか残っていなかった。ユーザーリソースの残量である。 これでは将来使い慣れて、色々使うときに、遅くなったり、パンクし、フリーズを起こす可能性が ある。

 持主に説明しつつ、一つずつ取外していって少し改善した。しかし、まだワン タッチボタン、無線マウスでリソースが相当喰われている。この機能を外すこと は友人にとって決断しかねる問題である。何のためにこのノートパソコンを買っ たのだと云うことになる。
 元々、マイクロソフトがWindowsを立ち上げた時に、宣伝広告の如く、ユーザーに関 係のないプロバイダーのホームページへの接続アイコンを沢山デスクトップに自動的に書込むようなセットアッププログラムを組んでいる。多分これを真似し て、出来るだけシンプルであるべき初心者のパソコンのデスクトップを複雑に占拠しユーザ領域を狭くしてしまう横暴をやっている。
 便利を売物にしている機能についても素人だまし的な物が多い。インターネット起動ボタンは、Windowsをセットアップすれば、デスクトップと左下のスタート ボタン右隣に小さなアイコンがセットされている。このアイコンをクリックする のと、ワンタッチボタンを押すのと同じである。屋上屋を重ねる機能である。
 今のパソコンを通常使用時マウス使用が前提である。ワンタッチボタンと、無 線マウスは矛盾している。素人は宣伝文句を信じ便利と思うだろう。この為にリ ソースを喰われ、ユーザ領域が狭められ機能が低下していることは買う前に説明 されていない。一種のだまし討ちだ。騙される方が悪い、無知の方が悪い世の中になったのか。
 無線マウスにしてもそうだ。この為にコード付の無線送受信機が付属している。 友達は自宅と事務所を往復するつもりで携帯用としてノートパソコンを買った。従来コード付 のマウスをノートパソコンと一緒に運べば良かった。今回はコード付き無線機送受信機と マウスと、ノートパソコンの3点運ぶ必要が出来た。デスクトップならまだし も、ノートの横でわっずかに動かすマウスに何故無線が必要なのか理解できな い。外付の無線機が無ければメーカのうたい文句通にはなるのだが。 在る種の本などで、ワンタッチボタン、無線マウス等を新しい機能として良い面 のみを強調して説明し、リソース消費現象など、初心者の消費者の立場に立った解説 が少ないことが気になる。

このような子供だましのような未完成な機能を堂々と 宣伝して、商品が売れるマーケットを持った土壌で成長した、日本製のパソコン に多いように思う。