1997/02/05(WED)

1997/02/05(WED)



比較的穏やかな日だ。昨日は一日中風が強かった。立春だったが、春一番というにはまだまだ冷気がきつく、厳しい日だった。
(10行ほど、著者によって削除)

昨日はまた、大変珍しいことには、読書というもので時間を過ごした。まったく何年ぶりだろう! わたしは、ふと手にしたバグワン・シュリ・ラジネーシの『般若心経』を、たまたま開いたそのページから読みはじめ、なんと、あの目の詰まったページを100ページ以上も読み進んだのである! ただし、何しろ600ページになんなんとする大冊なので、この先どうなるかは分からない。まあ、時間潰しには、恰好の本だくらいに軽く考えて、少なくともいま暫くは座右におくことになると思う。

『般若心経』の欠点は、まず、活字の小ささ、次に目の詰まった息の長いセンテンス、そして、なんといっても600に近いページ数だ。まったくのところ、野暮な書物なのである。そこでこれはこれで座右の端に留めておいて、新たに、もう少し効率のいい本を用意した。ラーマクリシュナの言行を記録した『不滅の言葉』である。こちらだと、活字も9ポぐらい、ページの組み方も読み手に楽だし、長さも200ページ弱だから手ごろだ。続くかどうかは分からないが、座右に据えておく。しかし、それにしても、なぜ、このテの本ばかりなんだ?
いや、それより何より、そもそも、なぜ、本というものから離れてしまったんだろう。まあ、もともとそんなにブッキッシュな人間ではなかったんだけれども、それでも、本は決して嫌いとはいえなかったはずである。
少し花を添えた言い方をすれば、一つ理由らしきものがないではない。言わずと知れた西洋的思考に対する見切りというやつだ。これは確かにこと読書に限らず、生活の細部にまで行き渡っているように思われる。だいたい冒頭に挙げた二冊の本が、ともに東洋思想のものであることからもご推察頂けよう。確かに、西洋的なものを受け付けなくなっていることは、一つあるのだ。

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