ノクターン第20番 嬰ハ短調遺作


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 ロマン・ポランスキー監督が実在のユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンが綴った 回想禄を基に映像化し、2002年の カンヌ国際映画祭パルムドール、アカデミー賞最優秀主演男優賞(エイドリアン・ブロディ)を受賞した戦争ドラマ 『戦場のピアニスト』(原題:The Pianist) で流れた基調音ともいうべきメロディーがショパンのこのノクターンであった。

2002年のカンヌ映画祭においてパルムドールに輝いた『戦場のピアニスト』は、ロマン・ポランスキー監督が指揮することを運命づけられた映画である。幼少時代をナチス占領下のポーランドで過ごしたポランスキー監督こそが、ユダヤ系ポーランド人のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマン(エイドリアン・ブロディ)の自伝を映画化するに相応しい唯一の人物と言える。ナチスのワルシャワ侵攻を目の当たりにし、死の収容所送りを奇跡的に逃れたシュピルマンは、ゲットーの廃墟に身を隠すことで第二次世界大戦を生き延びる。ナチスのホロコーストを映画化したこれまでの作品とは異なり、主人公の視点から忠実に描写され、ポランスキー監督によって壮大なスケールで戦争を描いた奥行きのある叙事詩となっており、シュピルマンが希望を捨てずに粘り強く生き延びる様子と、彼が逃げ出すことを拒んだ街が徹底的に破壊される様子とを対比して浮かび上がらせている。一切の妥協を排して肉体的、感情的な真実性を追求することにより、『戦場のピアニスト』は希望と精神的純潔性の究極的な調べを奏でている。『シンドラーのリスト』と同様に、人間性の最も暗い部分を描き出した偉大な映画の中の1作である。 (http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000896HN/249-8449470-0178741による)

 なお、この映画について詳細を知りたい方は次のサイトを :http://www.pianist-movie.jp/
また、主人公ウワディスワフ・シュピルマンを父に持つ拓殖大学客員教授クリストファー(51)さんとのインタビュー は次のサイトで公開されています。: http://www.pia.co.jp/plus/pianist/