リベルタンゴ


Return to the List


 リベルタンゴ(Libertango)は、アストル・ピアソラ作曲のタンゴ で、イタリアで1974年発表。Libertangoという単語は、「自由」 libertad と「タンゴ」tango と合わせて作った造語。オラシオ・フェレール Horacio Ferrer の歌詞がついている。
 ファン・ペロンが大統領に返り咲くようなアルゼンチンの雰囲気に嫌気をさして、イタリアで演奏活動していたときの作品。

 アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla, 1921年3月11日 - 1992年7月4日)はアルゼンチンの作曲家、バンドネオン演奏家。タンゴを元にクラシック、ジャズの要素を融合させた独自の演奏形態を産み出した。
 元来タンゴは踊りのための伴奏音楽であり、強いリズム性とセンチメンタルなメロディをもつ展開の分かりやすい楽曲であった。ピアソラはそこにバロックやフーガといったクラシックの構造や、ニューヨークジャズのエッセンスを取り入れることで、強いビートと重厚な音楽構造の上にセンチメンタルなメロディを自由に展開させるという独自の音楽形態を生み出した。これは完全にタンゴの表現を逸脱しており、「踊れないタンゴ」として当初の評判は芳しいものではなかった。一方で、ピアソラの音楽はニューヨークなどのあまりタンゴと関わりを持たない街で評価された。現在では、タンゴの可能性をローカルな音楽から押し広げた功績は、アルゼンチンのみならず国際的に高く評価されている。