四季の雨


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四季の雨
文部省唱歌(六年)

作詞 不詳
作曲 不詳
一
降るとも見えじ春の雨
水に輪をかく波なくば
けぶるとばかり思わせて
降るとも見えじ春の雨

二
俄(にわ)かに過(す)ぐる夏の雨
物干し竿(ざお)に白露(しらつゆ)を
名残(なご)りとしばし走らせて
俄かに過ぐる夏の雨
三
おりおりそそぐ秋の雨
木の葉(このは)木の実(このみ)を野に山に
色様々(さまざま)に染めなして
おりおりそそぐ秋の雨

四
聞くだに寒き冬の雨
窓の小笹(おざさ)にさやさやと
更行(ふけゆ)く夜半(よわ)をおとずれて
聞くだに寒き冬の雨
1914年(大正 3年)


雨が降ると何故傘がいるのか
われわれは、雨が降るから傘がいると思っている。しかし、ヨーロッパに降る雨は小糠雨で、傘をささずに歩いてもあまり濡れない。ヨーロッパ映画で、レインコートの襟を立てて、傘なしで歩くシーンをよく見るが、あれはヨーロッパの雨だからできることだ。
逆に強すぎる雨でも傘は役に立たない。フィリピンの気象庁の人が言っていたが、フィリピン人は天気予報にあまり関心を持っていない。それに、傘を持っている人も少ないそうだ。 「雨が降ればどうするの」「やむまで待ちます」。
スコールのような雨では、傘をさして歩いても、すぶ濡れになる。やむまで待つのが賢明である。

雨が降るから傘がいるのではない、傘のいる雨だから、傘がいるのである。

雨の季語

春雨、春時雨、菜種梅雨、春霖、梅若の涙雨

夏の雨、卯の花腐し、ながし、筍梅雨、走り梅雨、梅雨、梅霖、青梅雨、五月雨、送り梅雨、戻り梅雨、虎が梅雨、夕立、白雨、喜雨

秋雨、秋霖、洗車雨、御山洗、秋時雨

時雨(朝時雨、夕時雨、小夜時雨、村時雨、横時雨、月時雨など)冬の雨、寒の雨
(http://homepage2.nifty.com/YKKN/trend10.html による。)

なお、俳句を楽しむという立場から「時雨」について関心をお持ちの方は次のサイトをご覧ください。趣深い考究をしておいでです。 http://jukunen.azt.ac/~aquarius/hutakoto/h33_sigure.htm