故郷を離るる歌


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ドイツ民謡「Der letzte Abend」に吉丸一昌が詩を付けて大正2年「新作唱歌(五)」に発表された。

吉丸一昌 (よしまる・かずまさ 1873−1916)
 「蛍狩り」「早春賦 」「故郷を離るる歌」などの作品(作詞)で知られる。国文学者。
 東京帝国大学を卒業ののち、明治41年に東京音楽学校教授に。『尋常小学校唱歌』(全6冊)の編纂委員(作詞)として、芳賀矢一(作詞委員長)や上田万年、高野辰之、佐々木信網らとともに日本の唱歌成立に携わった中心的人物の一人。豊後国北海部郡(臼杵市)出身。

故郷を離るる歌
作詞 吉丸一昌
  ドイツ民謡
1.園(その)の小百合(さゆり) 撫子(なでしこ) 垣根の千草
  今日は汝(なれ)をながむる 最終(おわり)の日なり
  おもえば涙 膝(ひざ)をひたす 
  さらば故郷
  さらば故郷 さらば故郷 
  故郷さらば

2.つくし摘みし(つみし)岡辺(おかべ)よ 社(やしろ)の森よ
  小鮒釣りし小川よ 柳の土手よ
  別るるわれを憐(あわれ)と見よ 
  さらば故郷
  さらば故郷 さらば故郷
  故郷さらば

3.此処に(ここに)立ちて さらばと 別(わかれ)を告げん
  山の蔭(かげ)の故郷 静かに眠れ
  夕日は落ちて たそがれたり
  さらば故郷
  さらば故郷 さらば故郷
  故郷さらば
	  さらば故郷 さらば故郷
	  故郷さらば
1913年(大正02年)