小さな木(こ)の実
作詞 海野洋司 作曲 ビゼー 唄 大庭照子 |
1.小さな手のひらに一つ 古ぼけた木(こ)の実握りしめ 小さな足跡が一つ 草原の中を駆けてゆく パパと二人で拾った たいせつな木(こ)の実握りしめ 今年また秋の丘を 少年は一人駆けてゆく |
2.小さな心にいつでも 幸せな秋はあふれてる 風とよく晴れた空と 暖かいパパの思い出と 坊や 強く生きるんだ 広いこの世界おまえのもの 今年また秋がくると 木(こ)の実はささやく パパの言葉 |
1971年(昭和46年)
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スコットランドの作家ウォルター・スコット(Walter Scott)の小説「The Fair Maid of Perth」をもとに、フランスの作曲家ビゼーが
作り上げた歌劇「美しきパースの娘(La Jolie fille de Perth)」の中の「セレナード(Serenade)」が原曲。なお、歌劇の中から抜粋
して作られた組曲「美しきパースの娘」には、この曲は含まれていない。
クラシックの美しい旋律を歌いやすくアレンジし日本語の歌詞を付けて紹介した「みんなのうた」の曲として、もっとも広く知られ るようになったこの曲は、当時のNHK担当ディレクター・若林尚司さんが作曲家の石川皓也さんに依頼して制作された。その後まだタイトルも なかったこの曲の作詞を託された海野洋司さんは、‘少年を主人公に’との若林さんからの注文に、誕生したばかりの我が子のために書いた 「草原の秋」という自らの詩をもとにしてこの『小さな木の実』を書き上げたという。 クラシックを元にした確かな旋律と、強く生きて欲しいという父から子へのメッセージは、「みんなのうた」での発表後日本の秋の歌として 定着し、同番組でもこれまで2度のリメイクを経て歌い継がれている。 「みんなのうた」で歌唱を担当したのは、声楽からポピュラー歌手に転向したばかりの頃の大庭照子さん、8代目‘歌のおねえさん’の 斉藤昌子さん、ソプラノ歌手の蒲原史子さん、そして映像は、初回版の実写からはじまり、リメイク版では、情感溢れる叙情的世界を表現 したほんだゆきおさん、歌詞を忠実に再現した吉良敬三さんらによるアニメーションへと作り替えられた。 |