野口雨情は【帯解き式】という風俗を取り上げ、遠い時代の夢や祈りをおりまぜて「七つの子」を作り上げたと云われる。「帯解き式」は今では殆ど見かけないが、かっては盛んだった。童子の衣服の付け紐を取って初めて帯を用いるお祝いであって、男児は5歳から7歳の間、女児は7歳の11月に行った。だから、この「七つの子」は「帯解き式」を迎えた7歳の子をイメージして、親の子に対する細やかな愛情の世界を表現していると云うことができよう。(7歳の11月という事がこの歌を秋の歌に分類した理由である。・・森田(注)) という解釈の一方では、この「七つ」とは「七羽」なのか「七歳」なのか。これを巡る論争?はこの歌が発表されて以来絶えることがないようだ。それほどに、この歌は人口に膾炙しているとも言える。本問題について、3つもの論文で「七歳」説を主張しておいでの方がある。興味がおありの方は次のサイトをご覧願いたい。 【「和田的説・論・随筆・エッセー」(http://wadakoji.cool.ne.jp/esseopen.htm)】 |
七つの子
作詞 野口雨情 作曲 本居長世 烏(からす)なぜ啼(な)くの 烏は山に 可愛(かわ)い七つの 子があるからよ 可愛(かわ)い 可愛(かわ)いと 烏は啼くの 可愛い 可愛いと 啼くんだよ 山の古巣(ふるす)へ いって見て御覧(ごらん) 丸い眼をした いい子だよ
1921年(大正10年)
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