作詞 宮原晃一郎 作曲 不 詳 |
1.われは海の子 白波の 騒ぐ磯辺の 松原に 煙たなびく 苫屋こそ わが懐かしき 住家なれ 2.生まれて潮に 湯浴みして 波を子守りの 歌と聞き 千里寄せ来る 海の気を 吸いて童と なりにけり 3.高く鼻つく 磯の香に 不断の花の 香りあり 渚の松に 吹く風を いみじき樂と 我は聞く 4.丈余の櫓櫂 操りて 行く手定めぬ 波枕 百尋千尋 海の底 遊び慣れたる 庭広し |
5.幾年ここに 鍛えたる 鉄より硬き 腕(かいな)あり 吹く潮風に 黒みたる 肌は赤銅 さながらに 6.波に漂う 氷山も 来たらば来たれ 恐れんや 海巻きあぐる 竜巻も 起こらば起これ 驚かじ 7.いで大船を 乗り出して 我は拾わん 海の富 いで軍艦に 乗り組みて 我は守らん 海の国 |
1910年(明治43年)
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(注) 鹿児島市出身の児童文学者 宮原晃一郎氏(1882−1945)は10歳のときに北海道に移住。 小樽新聞社記者だった1908年、文部省の懸賞に、故郷の錦江湾を懐かしんだ「海の子」と いう詩を応募。これが佳作入選し、「われは海の子」になったとされる。その歌碑が鹿児島市の 祇園之洲公園に完成し除幕式が20日行われた。(日本経済新聞H12.7.21朝刊「窓」欄に掲載) |