牧場におとずれる朝の爽やかな様子、聴く人にまで高原のすがすがしさを伝えるような歌である。1912(大正元)年、『尋常小学唱歌(四)』に発表された。 http://www.d-score.com/pg/A02011424-1.html 歌のモデルとなったのは福島県鏡石町の岩瀬牧場といわれている。岩瀬牧場は、日本初の欧州式牧場として有名なところ。明治初期、明治天皇の東北巡業の際に、鏡石町と、近隣の矢吹、須賀川におよぶ広大な原野の開墾を指示されたのがその始まりだそうで、もとは宮内省直轄で、明治40年、オランダからオランダホルスタイン13頭が輸入され、そのときに友好の印として贈られたのが、歌にでてくる「鐘」である。 |
作詞 杉村楚人冠 作曲 船橋 栄吉 |
1.ただ一面に たちこめた 牧場の朝の 霧の海 ポプラ並木の うっすりと くろい底から 勇ましく 鐘が鳴る鳴る かんかんと 2.もう起きだした 小屋小屋(ごや)の あたりに高い 人の声 霧に包まれ あちこちに 動く羊の 幾群れの 鈴が鳴る鳴る りんりんと 3.今さし昇る 日の影に 夢から覚めた 森や山 赤い光に 染められた 遠い野末に 牧童の 笛が鳴る鳴る ぴいぴいと |
1912年(大正元年)
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