一月一日


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一月一日
作詞 千家尊福
作曲 上 真行
1.年のはじめの ためしとて
  終わりなき世の めでたさを
  松竹たてて 門(かど)ごとに
  祝う今日こそ たのしけれ

2.初日のひかり さしいでて
  四方(よも)にかがやく けさの空
  君がみかげに たぐえつつ(※)
  あおぎ見るこそ とうとけれ

※たぐえつつ=あわせ、ひき比べながら
1893年(明治26年8月)

 現在でもお正月のテレビ番組などでよく聞かれる唱歌「一月一日」は明治28年、明治政府によって元旦拝賀式(はいがしき)の奉唱歌として定められた。元旦拝賀式とは元旦に全国の小中学校の生徒たちが登校して行なわれた新年の祝賀式典である。
 そして、この唱歌「一月一日」の作詞者が第80代出雲國造(こくそう)・出雲大社宮司の千家尊福(せんげたかとみ)である。作曲者は宮内省の雅楽長であった上真行(うえさねみち)。尊福宮司は出雲大社の布教機関である出雲大社教の初代管長をつとめた他、貴族院議員や静岡・埼玉・東京の各知事をはじめ、司法大臣などを歴任した政治家でもあった。
 この唱歌の第二節は当初、「初日のひかり 明(あきら)けく 治まる御代の 今朝の空」だったが、「明けく治まる」=「明治」が終わり、大正となった同2年、現在の歌詞に改められた。
 兎にも角にも、今なお多くの人々に歌い継がれるこの唱歌は、年の始めにあたり御皇室の弥栄と国家国民の永遠の繁栄を祈り祝して歌われ続ける日本人の“こころの歌”といえよう。
【花レタスTV雑記(http://seiyoch.at.webry.info/200512/article_8.html)による】