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ヤットン節
作詞 野 村 俊 夫
作曲 レイモンド服部
唄  久 保 幸 江
1.お酒呑むな 酒呑むなの 御意見なれど ヨイヨイ
  酒呑みゃ 酒呑まずに 居られるものですか ダガネ
  あなたも 酒呑みの 身になってみやしゃんせ ヨイヨイ
  ちっとやそっとの 御意見なんぞで 酒やめられましょか
  トコねえさん 酒もってこい

2.山から けっころがしたる 松の木丸太でも ヨイヨイ
  世に出りゃ 不細工(ぶざいく)不(ぶ)ざまな 
				お多福おかめでも ダガネ
  妻と名がつきゃ まんざらにくくない ヨイヨイ
  人に袖づま 引かれりゃほんとに 腹が立つ
  トコトンの ヤットントン



3.ちょいと聞いた 隣座敷の ひそひそ話 ヨイヨイ
  たしかに お客はいつもの 恋仇(こいがたき) ダガネ
  とんびに油揚(あぶらげ) さらわれた ヨイヨイ
  こちらは おきざりほんとに 腹が立つ
  トコねえさん 勘定してこい

4.汽車がとまる 車掌が戸あける お客が降りる ヨイヨイ
  てんでに 荷物を 肩にかけ ダガネ
  赤い鼻緒の つっかけぞうり ヨイヨイ
  ビールに正宗 シトロンマッチに 巻煙草
  寿司弁当に お茶お茶

  三日前の 古新聞
  読む気があったら 買っとくれ
  トコトンの ヤットントン
1951年(昭和26年)

・・・・・・・・・・その「節もの」の最高峰が,「ヤットン節」かな。

最初に,ドン!とシンバルドラムが一発かまして曲の始まる面白い曲。いわゆるなんとか節っていわれる範疇の曲なんだろうけど,それの中ではずいぶんテンポが速いんじゃないかな?

函館でレイモンド服部がこの曲を聞いて採譜したというだけあって,もともと日本にあったメロディーとレイモンドのアレンジの具合のほどよい混ざり具合がこの曲を「トンコ節」に続く第2ヒットへと押し上げるものとさせてる。

歌詞中には「酒もってこい」(1番)「松の木丸太」(2番)「隣座敷のひそひそ話」(3番)なんて,お座敷っぽい歌詞になってる。4番でいきなり汽車の中の話になってるけれど,多分コレが最初の歌詞で,それにお座敷色をつけた1番から3番を野村俊夫が補作したと睨んでるんですが,どうでしょうね?
[日本の歌謡曲(その五) お座敷ソング等]http://www1.u-netsurf.ne.jp/~net-rod/g/g8.htmlによる。
レイモンド服部(れいもんど・はっとり)
 本名服部逸郎。明治40年横浜に生まれる。遣米施設団副使村垣淡路守範正の曾孫。昭和6年慶応大学支那文学科卒業後ハワイに渡り新聞記者、教師をしながら作曲、声楽を学ぶ。昭和9年帰国、NHKアナウンサー、コロンビア専属作曲家となる。「コバルトの空」など吹奏楽、マーチでは第一人者。著書に「七七人の侍アメリカに行く」「孤独の人」がある。
(http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Namiki/7237/senngo009_003.htmによる。)