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土と兵隊

          作詞 藤田まさと
	      作曲 大村  能章
	      唄  東海林太郎
1 夜の深さに眸(ひとみ)を投げりゃ 
  どれが道やら畠やら 
  まして篠つく雨の中 
  俺に続けと手を振る兵も 
  三歩あゆんで二歩滑る 

2 我友(とも)の担架に顔すり寄せて 
  傷は浅いぞ案ずるな 
  今度いよいよ俺の番 
  さらば行くぞと駆け出す兵に 
  十日経ったら僕も行く 
3 よしや踵(かかと)の肉裂けるとも 
  肩に背負うは一億の 
  清き銃後の民(ひちお)の声 
  目指す敵陣打ち抜くまでは 
  何のこれしき痺(ひる)むべき 

4 十字砲火に五尺の体 
  捧げ尽くすは今なりと 
  遙(はる)か祖国を拝みつつ 
  誓う勇士は歩武(ほぶ)堂々と 
  今日も征く征く雨の野(や)を 
文部省推薦・火野葦平原作
1939年( 昭和14年)

 「麦と兵隊」のヒットで兵隊シリーズものが相次いで作られたが、当然に「土と兵隊」「花と兵隊」も同じ昭和14年に作られ「兵隊三部作」と呼ばれていたようだ。また昭和16年には「梅と兵隊」というのも作られた。(ただし、「花と兵隊」については、歌詞・曲ともにこれまでのところ探し出せないで居る。)