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東京シューシャイン・ボーイ
作詞 井田誠一
作曲 佐野 鋤
唄  暁テル子
1.サーサ皆さん 東京名物 とってもシックな靴みがき
  鳥打帽子に胸当てズボンの 東京シューシャインボーイ
  ぼくの好きなあのお嬢さん 今日はまだ来ないけど
  きっと彼女は来てくれる 雨の降る日も風の日も
  サーサ皆さん ぼくが磨けば どんな靴でもよく光る
  ア シュシュシュシュシュ ア シュシュシュシュシュ
  ア 愉快な 靴磨き

2.サーサ皆さん 東京名物 とってもシックな靴みがき
  えんじのネクタイ 陽気な口笛 東京シューシャインボーイ
  赤い靴のあのお嬢さん 今日もまた銀ぶらか
  きっとお土産チョコレート チューインガムにコカコーラ
  サーサ皆さん 往きも帰りも ちょいと磨いて エチケット
  ア シュシュシュシュシュ ア シュシュシュシュシュ
  ア 愉快な 靴磨き
  
3.サーサ皆さん 東京名物 とってもシックな靴みがき
  ダンスがお得意 英語もペラペラ 東京シューシャインボーイ
  ぼくの好きなあのお嬢さん 今日は またどうしたの
  きっとあしたは来てくれる いつかふたりで踊りましょう
  サーサ皆さん ぼくが磨けば みんなほがらか よく光る
  ア シュシュシュシュシュ ア シュシュシュシュシュ
  ア 愉快な 靴磨き
1951年(昭和26年)

 この歌が流れたのは昭和26年。この頃まだ東京でも、大阪でも、戦争で親も家もなくし、自分で働いて食っていかねばならなかった少年少女が街角で靴磨きをしていた。
 復興がすすんで、世の中は確実に落ち着きを見せ始めていたものの、まだまだ犯罪発生率は高く、青少年による凶悪な犯罪も起きており、世の中を健全な明るいものにしようという取り組みが教育関係者などを中心にして行われていた。刹那的な歌やエロっぽい歌はやめようと声高に叫ぶ人たちもいた。そんな中で、NHKはラジオ歌謡の放送を開始し、健全で明るい歌を広めるモデル番組をめざし、荒井恵子が歌った『森の水車』、伊藤久雄『山の煙』がヒット曲となった。
「山本健治のつれずれエッセイ−雑感・戦後日本の世相と流行歌(8)」(http://www.asahi.co.jp/call/diary/yamaken/essay_08.html) から。

井田誠一
 作詞家、1908年東京都八王子生まれ。八王子中学校(現八王子高校)で教鞭をとった後、作詞家として活躍。1993年同市長房町で85歳の人生を終えた。
 「東京シューシャイン・ボーイ 」「思い出のワルツ」「白銀は招くよ」「若いお巡りさん」「ケ・セラセラ」「泣かないで」などのヒット曲の他、NHKテレビの「みんなの歌」で紹介され、子供たちに愛されている「モルゲンロート」はドイツ民謡に彼が詩をつけた。また、「デーオ、デーオ」と歌う「バナナボート」は、キューバの労働歌だが、ハリーベラフォンテが歌って大ヒットしたものに井田誠一が訳詞を付けた物。
 1999年、八王子市を一望できる高尾山薬王院敷地内に歌碑が建立され、 歌碑には、ヒット曲「若いお巡りさん」の歌詞が刻まれており、歌碑の前に人が立つとその音楽が流れてくる仕組みとなっている。
【「高尾山の文学散歩」(http://www.takaosan.info/sekihi.htm)などによる】