船頭可愛や


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 作曲家古関裕而の事実上の初ヒット曲。「この曲をクラシック畑の歌手に歌ってもらいたかった」と古関は回想するが、新人で商家の主婦であった音丸の力量はそれ以上のものであり、大ヒットとなった。この曲の出現によって、古関の作曲家の地位はやっと安泰になったといえる。瀬戸内海の民謡を参考にした詞で、「大海の豪快な漁師を想う歌」となっている。
 「音丸は本名永井満津子、東京生まれで芸妓ではなく、家庭の主婦だったがその美声が認められ民謡調流行歌歌手となった。この歌で有名になってから、ビクターの勝太郎や市丸を向こうに回して、続々とヒットを飛ばし、一時は音丸時代を築く。」(丘灯至夫著『歌暦五十年』)
http://fps01.plala.or.jp/~edih/melodykaisetu.html

船頭可愛や

作詞 高橋鞠太郎
作曲 古関 祐而
唄  音   丸
1.夢も濡れましょ 汐風夜風
  船頭可愛や エエー
  船頭可愛や 波まくら

2.千里離りょうと 思いはひとつ
  同じ夜空の エエー
  同じ夜空の 月を見る
3.一人なりゃこそ 枕も濡れる
  せめて見せたや エエー
  せめて見せたや 我が夢を





1935年(昭和10年)