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麗人の歌
東宝映画 「麗 人」主題歌
作詞 西条八十
作曲 古賀政男
唄  霧島 昇
1.紅い帯締め 花嫁人形
  明日は売られて どこへゆく
  泣いてみたとて あの人が
  告げぬ想いを ああ なんで知ろ

2.夢はやぶれて 花嫁人形
  はでなたもとが 恥かしや
  覚めて浮世の 窓みれば
  みんな泣いてる ああ 人ばかり
3.告げぬ想いを さみしくこらえ
  君とゆく夜の 小糠雨(こぬかあめ)
  いとしお方の 肩たたく
  雨がわたしで ああ あったなら

4.籠に飼われた 緋総(ひぶさ)の鳥が
  強い女と なる朝は
  こころ筑紫の 波の上
  うかぶ白帆に ああ 虹が立つ 
1946年(昭和21年)

 筑豊の生んだ有名な炭鉱王と呼ばれた「伊藤伝右衛門」は明治44年、絶世の美女、歌人「白蓮」と結婚(後妻として)した。当時、 伝右衛門52歳、白蓮27歳。
 歌人「柳原白蓮」は藤原北家のながれを組む「柳原前光」伯爵の次女、叔母は大正天皇の生母と言う家柄、当時は、愛のない金目当ての策略結婚だと騒がれた。伝右衛門は別府に、彼女のために「赤銅御殿」(あかがねごてん)を造ってやったりして、「筑紫の女王」と呼ばれ幸福そうに見えたが、何しろ、余りにも違った教養や趣味。白蓮は次第に伝右衛門から離れ、遂に大正10年10月、大阪朝日新聞に「離縁状」を掲出し、宮崎滔天の息、7歳下の東京帝大生「宮崎竜介」との恋に走る。新聞にも大きく報道され、世に一大センセーションを巻き起こし、戦後、いち早く映画化された。
(注)白蓮 明治18年(1885年)−昭和42年(1967年)、享年81歳。なお、竜介4年後に78歳で死去。
 麗人(歌人柳原白蓮)役には原節子、恋人「宮崎」役には、当時、姿三四郎役で人気絶頂だった「藤田進」が演じた。ポスターには「石炭王のふところから 飛び出した 或る女性の路」と書かれている。この映画の主題歌の「麗人の歌」(唄・霧島昇)も大流行した。
【「炭坑物語」(http://www3.coara.or.jp/~primrose/hokoku01-2.html)】および 【「WELCOME TO B-SEMI」の「恋歌・恋句」の「柳原白蓮」(http://homepage1.nifty.com/B-semi/koiku/yanagihara.htm)による】
 なお、本映画の主題歌には、このほかに「緋房の籠」がある。
麗人
製作=東宝 1946.05.16 11巻 2,673m 白黒 
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製作 ................  竹井諒 本木荘二郎 
監督 ................  渡辺邦男 
脚本 ................  八住利雄 
撮影 ................  川村清衛 
音楽 ................  古賀政男 
美術 ................  河東安英 
録音 ................  岡崎三千雄 
照明 ................  田畑正一 
出演 ................  原節子 藤田進 清水将夫 進藤英太郎 羽島敏子 田中春男 尾上栄二郎 
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(資料出所:http://www.jmdb.ne.jp/1946/bv000310.htm)
 なお、「麗人のうた」には、この「麗人の歌」のほかに昭和5年に出た「麗人のというのがある。これは松竹映画「麗人」の主題歌として作られて当時大流行した。主演は栗島すみ子。

麗人
製作=松竹キネマ(蒲田撮影所) 1930.04.26 18巻 白黒 無声 
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監督 ................  島津保次郎 
脚色 ................  村上徳三郎 
原作 ................  佐藤紅録 
撮影 ................  桑原昴 
  
配役     
水原鞆子  ................  栗島すみ子  
岩夫(鞆子の子)..........  高峰秀子  
浅野正樹  ................  奈良真養  
小阪  ....................  山内光  
黒津専三(新政会総務)...... 藤野秀夫  
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(資料出所:http://www.jmdb.ne.jp/1930/bf002200.htm)