耳をすましてごらん


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耳をすましてごらん
作詞 山田 太一
作曲 湯浅 譲二
唄  本田路津子
1.耳をすましてごらん
  あれは遙かな 海の轟き
  巡り逢い 見つめ合い
  誓い合った あの日から
  生きるの強く 一人ではないから

2.旅を続けて遙か
  一人ふり向く 遠いふるさと
  思い出に しあわせに
  淋しくないわと ほほえんで
  生きるの強く あの愛があるから
3.空を見上げてごらん
  あれは南の 風の囁き
  時は過ぎ 人は去り
  冬の世界を 歩む頃
  生きるの強く あの海があるから






1972年(昭和47年)

 1972年(昭和47年)4月3日から翌年3月31日にかけて放送されたNHK朝の連続テレビ小説「藍より青く」の主題歌。昭和18年の紺碧の海に囲まれた九州天草を舞台に始まり、一人の乙女が初恋・結婚・夫の出征、そして出産と、戦後のめまぐるしい時代を天草・福岡・東京と舞台を移しながら明るく逞しく生き抜く姿を爽やかに描き好評で、歌った本田路津子はこの歌で2度目の紅白出場を果たした。ヒロインの真紀役には真木洋子(故人)、その恋人周一役は大和田伸也が演じ、高視聴率を獲得した。
 なお、翌1973年には松竹から松坂慶子、大和田伸也ほかで映画化された。また、  舞台となった熊本県天草については次のサイトを参照されたい。
(http://www.amakusa-now.com/index.html)

山田太一
 1934年東京都生まれ。早稲田大学教育学部国語国文科卒業後、松竹大船撮影所演出部に勤務し、木下恵介のもとで助監督をつとめる。65年に独立し、テレビドラマの脚本家に。『男たちの旅路』『岸辺のアルバム』『早春スケッチブック』『ふぞろいの林檎たち』など数々の話題作を送り出す。88年、小説『異人たちとの夏』で山本周五郎賞を受賞。他にも『飛ぶ夢をしばらく見ない』『丘の上の向日葵』『君を見上げて』『彌太郎さんの話』など著書多数。さらに、エッセイの執筆や、舞台の脚本を手がけるなど多方面で活躍中。
 なお、「藍より青く」については、次のように言っている。
実は『岸辺のアルバム』以前にも小説を出したことがあるんですよ。『藍より青く』というNHKの朝の連続ドラマ(72年春放送開始)の脚本を1年ぐらい書いていまして、それを小説化してほしいと中央公論社の方に言われ、ドラマが放送されている最中に上下巻の本を書いたんです。最初は、他の人にノベライズさせてはどうかと言われたのですが、ぼくは人に頼むのが嫌だったので、午前中はドラマを書いて午後は小説……といったハードなスケジュールで書き上げました。ただ、あまりに深くドラマとからみ合っていたので、小説を書いたというより「自分でやったノベライズ」という感じがして、小説のリストには入れたくないような気分なんです。
(http://book.asahi.com/authors/index.php?key=8による)