作詞 関沢潤一郎 作曲 八洲 秀章 唄 伊藤 久男 |
1.昔の夢の 懐かしく 訪ね来たりし 信濃路の 山よ 小川よ また森よ 姿 昔のままなれど 何故にかの君 影もなし 2.乙女の胸に 忍び寄る 鳴いて淋しき 閑古鳥 君の声かと 立ち寄れば 消えて冷たく 岩陰に 清水ほろほろ 湧くばかり | 3.過ぎにし夢と 思いつつ 山路下れば さやさやと 峠吹き来る 山の風 胸に優しく 懐かしく 明日の希望を 囁くよ |
1940年(昭和15年) |
この歌は名曲だと私は思っているが、次のような感想を抱いている愛好家もあるということをご紹介する.
『歌う狸御殿』をはじめて観たのは、高校生の時だったと思う。
この映画そのものについてはそれほどの感銘は受けなかったのだが、しかし、このミュージカル映画における
伊藤久男の存在にだけはむしょーに感動してしまった。『狸御殿』で伊藤久男が登場するのは、最初のほうの、ほんのワンシーンのみである。
しかも、「ドングリ村のベロ助さん」だかなんだか、そりゃーあんまりじゃないの、
というネーミングで唐突に現れて、主人公の家の庭先をフラフラ歩き回りつつ、
例の美声で高らかに「高原の旅愁」を歌い上げ、忽然と帰っていってしまう。
そしてその後はもう最後まで登場しないのである。 |