風は海から
東宝映画「阿片戦争」主題歌
作詞 西条八十 作曲 服部良一 唄 渡邊はま子 |
1.風は海から 吹いてくる 沖のジャンクの 帆を吹く風よ 情あるなら 教えておくれ 私の姉さん どこで待つ 2.青い南の 空見たさ 姉と妹で 幾山越えた 花の広東 夕日の街で 悲しく別れて 泣こうとは |
3.風は海から 吹いてくる 暮れる港の 柳の枝で 鳴いているのは 目の無い鳥か わたしも目の無い 旅の鳥 |
1943年(昭和18年)
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◆ 「風は海から」は、昭和18年(17年とするものもあるが、確認できず)、東宝製作の映画「阿片戦争」の主題歌である。作詞 西条八十、作曲服部良一、唄渡辺はま子。「阿片戦争」の監督はマキノ正博、出演は 市川猿之助、原節子、高峰秀子、鈴木伝明、河津清三郎、進藤英太郎。戦時下の国策映画の一つで、イギリスの中国への不当な干渉、阿片戦争に題材をとっている。
◆ 物語の舞台は1839年の中国。阿片を流し、侵略を計るイギリス側と、阿片から人民を守ろうとする清の役人林則除との戦いを軸に、戦乱に巻き込まれて離れ離れにな る美しい姉妹の物語が描かれている。美しい姉妹を演ずるのが原節子と高峰秀子。国策映画にもかかわらず、その枠を越えて、日本映画史上でも傑出したスペクタクル史劇であり、ミュージカル場面もすばらしいとの評判をとった作品である。 |