出船の港


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出船の港
作詞 時雨音羽
作曲 中山晋平
唄  藤原義江
1.ドンと ドンと ドンと
  波のり越して
  一挺(ちょう)二挺三挺
  八挺櫓で飛ばしゃ
  サッと上がった 鯨の汐(しお)の
  汐のあちらで 朝日はおどる

2.エッサ エッサ エッサ
  押し切る腕は
  みごと黒がね
  その黒がねを
  波はためそと ドンと突きあたる
  ドンとドンとドンと ドンと突きあたる
3.風に帆綱を
  キリリとしめて
  舵を廻せば
  舳先(へさき)はおどる
  おどる舳先に 身をなげかけりゃ
  夢は出船の 港へ戻る







1928年(昭和 3年)
(注)1番2行目の「波乗り越して」を、藤原義江が「波乗り越えて」と誤ってレコードに吹き込んだために、間違った歌詞の方が有名になってしまった。
 作詞家時雨音羽(1898-1980年)は利尻町沓形の出身。利尻町では音羽の功績をたたえ、1960年に沓形岬に「出船の港」詩碑を建立。現在では歌詞にちなみ、沓形岬は「どんと岬」と呼ばれることも多い。

 ニシン漁家の網元に生まれた音羽は大蔵省勤務を経て1925年(大正14年)、雑誌「キング」に出船の港を発表、作詞家として認められ1928年(昭和3年)、日本ビクターに文芸顧問として入社した。「出船の港」「鉾(ほこ)をおさめて」や「君恋し」などの流行歌、小学唱歌「スキー」、小樽商大校歌や道内の多くの小中高校校歌を手掛けた。利尻町は1977年、音羽を名誉町民として表彰した。
【利尻町ホームページ(http://www.town.rishiri.hokkaido.jp/)などによる。】