黒い花びら


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第1回日本レコード大賞受賞作品(昭和34年)
 この年の最大のニュースは「皇太子殿下のご成婚」。世の中は「ミッチーブーム 」に沸きかえり、この年に生まれた女の子に「美智子」という名前が多く付けられた。レコード業界は、まだまだ戦争による傷が深く、街にレコードが鳴り 響いても、そのプレス数は少ない時代。前年に、日本作曲家協会初代会長である古賀政男、平井 賢などがアメリカの「グラミー賞」を見学。帰国後、「日本でも 」という発案で計画されたのが「日本レコード大賞」であった。なお、この年の受賞作などは下記の通り。
大賞 
曲名:「黒い花びら」〈東芝音楽工業〉 歌手:水原 弘
作詩:永 六輔   作曲:中村八大   編曲:中村八大
   
歌唱賞 
曲名:「夜霧に消えたチャコ」 歌手:フランク永井 
作詩:宮川哲夫   作曲:渡久地政信   編曲:渡久地政信 
   
作詩賞 
曲名:「フルート」   歌手:島倉千代子 
作詩:サトウハチロー  作曲:古関裕而   編曲:古関裕而
   
作曲賞 
曲名:「夜霧に消えたチャコ」 歌手:フランク永井
作詩:宮川哲夫   作曲:渡久地政信   編曲:渡久地政信
   
童謡賞 
曲名:「やさしい和尚さん」 歌手:石井亀次郎とキングホウズキ会
作詩:加藤省吾  作曲:八洲秀章  編曲:八洲秀章
   
■この年は、新人が大賞を受賞したため、新人賞はなしとなった。
黒い花びら

作詞 永 六輔
作曲 中村八大
唄  水原 弘
1 黒い花びら 静かに散った
  あの人は帰らぬ 遠い夢
  俺は知ってる 恋の悲しさ
  恋の苦しさ
  だから だから もう恋なんか
  したくない したくないのさ

  (この後、ビブラホンの演奏が
	フル・コーラス続きます)
2.黒い花びら 涙にうかべ
  今は亡いあの人 ああ初恋
  俺はしってる 恋の淋しさ
  恋の切なさ
  だから だから もう恋なんか
  したくない したくないのさ



1959年(昭和34年)

 昭和34年に「黒い花びら」で鮮烈なデビューを飾った水原 弘。この年、第1回日本レコード大賞を受賞し、独特の甘い低音を武器に「黒ブーム」を巻き起こし、一躍スターダムに駆け上った。だが、その後しばらくは病気などで不遇の時代が続いた。 昭和42年に発表した「君こそわが命」で、レコード大賞歌唱賞を受賞し、奇蹟のカムバックを遂げた。 しかし、絶頂は続かずデビュー20周年を目前に控えた、昭和53年肝硬変のため、その波乱に満ちた生涯を閉じた。