作詞 後藤紫雲 作曲 高木青葉 |
1.春はヴェニスの 宵の夢 涙に夢も 泣き濡れて さざれの真珠と なぞらう泡沫(うたかた)の 哀しき船出を 慕うらん 2.灯火やつれて 春は逝(ゆ)き 櫓は漣に 囁きぬ たゆとう小舟に 迷える悲歌(ひか)を乗せ 儚き別れを 偲ぶらん | 3.棹さす小舟の 舵緒(かじお)たえ 流れに砕くる 月影は 千々に砕けて 波間に漂いて いずこの船路を 辿るらん 4.秋錦繍(きんしゅう)の 幕を張り 笛の音さえ 冴え渡り 月光斜めに 飛ぶ雁の哀れにて いずこの塒(ねぐら)に 宿るらん |
1923年(大正12年) |