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 1960年4月発売の作品。この年は、第一次安保反対闘争で日本中が騒然とした年だった。連日の闘争で疲れはて、体制の壁の厚さに絶望的になった学生たちの心情に、この歌の投げやりなムードが妙にマッチしたようで、デモの帰りなどによく歌われたようである。

 国会では2月より日米安保条約の審議が開催されたが、国会内外の反対の激化で難航した。5月19日に政府自民党は緊急上程し20日未明、衆議院本会議で強行採決された。院外でも社会党、総評、学生などのデモが連日国会を取り巻き、激烈を極めた。
 6月10日、米大統領秘書官ハガチーが来日。羽田には抗議のデモ隊が結集していたが、車は猛スピードで走り出し弁天橋と双子橋の先にいたデモ隊の近くに突っ込み、身動きがとれなくなりヘリコプターで脱出した。
 6月15日、全国で580万人がデモを行った。この日全学連主流派が国会突入をはかり警察官と衝突、東大生・樺美智子(22)が死亡した。
 33万人が徹夜で国会を包囲する中、6月19日午前零時を期して自然承認された。 6月23日、批准書を交換し発効した。


アカシアの雨がやむとき

作詞 水木かおる
作曲 藤原 秀行
唄  西田佐知子
1 アカシヤの雨にうたれて
  このまま死んで しまいたい
  夜が明ける 日がのぼる
  朝の光の その中で
  冷たくなった わたしを見つけて
  あの人は
  涙を流して くれるでしょうか

2 アカシアの雨に 泣いてる
  切ない胸は わかるまい
  思い出の ペンダント
  白い真珠の この肌で
  淋しく今日も あたためてるのに
  あの人は
  冷たい瞳(め)をして 何処(どこ)かへ消えた
3 アカシアの雨が 止む時
  青空さして 鳩がとぶ
  むらさきの 羽の色
  それはベンチの 片隅で
  冷たくなった わたしのぬけがら
  あの人を
  さがして遙かに 飛び立つ影よ 









1960年(昭和35年)