夕日は落ちて


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夕日は落ちて

作詞 久保田宵二
作曲 江口 夜詩
唄  松平  晃
   豆 千 代
1.荒れ野の涯(はて)に 日は落ちて
  遙かまたたく 一つ星
  故郷(ふるさと)捨てた 旅ゆえに
  愛しの黒馬(あお)よ さみしかろ

2.七つの丘も 越えたれど
  湖(うみ)のほとりも さまよえど
  朝霧夜霧 暮れの鐘
  やさしきものは 風ばかり
3.名も無き花も 青春(はる)を知り
  山の小鳥も 歌を知る
  何故(なにゆえ)悲し 人の子は
  荒れ野の涯(はて)の 雲を見る





1936年(昭和11年)
昭和11年の作。作曲の江口夜詩、歌手の松平 晃については「急げ幌馬車」を参照してもらうことにして、ここでは作詞の久保田宵二について述べる。

久保田宵二 (くぼた・しょうじ、明治32年(1899年)6月2日生 昭和22年(1947年)12月26日没。 岡山県川上郡備中町出身)

 昭和初期の売れっ子作詞家の一人で、師である野口雨情と同じく、童謡という新しいジャンルから出て、昭和の歌謡曲への橋渡しをした人物の一人。
 岡山県師範学校を卒業し、郷里で小学校の教員をしながら詩や童謡を書いた。大正14年上京、日本大学で学びながら童謡を主として書き、かたわら歌謡曲の作詞もした。昭和6年、専属作詞者としてコロムビアレコードに入社。昭和8年、「ほんとにそうなら」(作曲・古賀政男、歌・赤坂小梅)がヒットする。「赤城しぐれ」「夕日は落ちて」などの歌謡曲もこの時期の作である。
 後半の人生は歌謡曲の作詞で一家をなしたが、上京するまでは総合雑誌的な「岡山青年」の詩部門の選者を長く務め、当時の詩から民謡に移っていった青年たちに影響を与えた。作品集に「ねんねの小雀」「宵二童謡集」、論集に「現代童謡論」がある。
- 作品 -

 「山寺の和尚さん」 作曲 服部良一
 「もしもし亀よ」 作曲 服部良一
 「赤城しぐれ」 作曲 竹岡信幸
 「赤い風車」 作曲 竹岡信幸
 「旅がらす」 作曲 古賀政男
 「本当にそうなら」 作曲 古賀政男
 「富士山見たら」 作曲 橋本国彦
(http://www.d-score.com/ar/A02091105.htmlおよび http://www.kibiji.or.jp/php/kibiji_display_50on.php3による。)