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鉾(ほこ)をおさめて
作詞 時雨音羽
作曲 中山晋平
唄  藤原義江
1.鉾をおさめて 日の丸上げて 
  胸をドンと打(う)ちゃ 夜明けの風が 
  そよろそよろと 身に沁みわたる 

2.灘(なだ)の生酒(きざけ)に 肴(さかな)は鯨(くじら) 
  樽(たる)を叩(たた)いて 故郷(こきょう)の唄に
  ゆらりゆらりと 日は舞い上がる 

3.金の扇(おうぎ)の 波波波に
  縄(なわ)のたすきで 故郷の踊り 
  男男の 血は湧き上がる 

4.エンヤッサ エンヤッサ
  ヤンレッサ ヤンレッサ
  踊り疲れて 島かと見れば
  母へ港へ 土産の鯨
1926年(昭和 元年)


 時雨音羽は大正15年、雑誌「キング」3月号に「金扇」を発表。これは後に中山晋平の作曲により「鉾をおさめて」として発表された。
 ここで云う鉾は、捕鯨の時に使うモリのこと。従ってこの歌は船上での鯨の大漁祝い、朝日の中を母港を目指して勇んで帰る活発な情景を詠んだものである。なお、時雨音羽については「出船の港」を参照のこと。