2001年9月20日。高視聴率を続けていたNHKの朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」で一曲の新しい沖縄民謡が流された。
主人公の古波蔵恵里と息子の和也が小浜島へ渡るシーンの挿入音楽として、数分間オンエアされた。 天からの恵みを受けて、この世に生まれたわが子よ。私がお守りして、育てるからね。 愛しのわが子よ、泣いちゃいけないよ。 太陽(てぃだ)の光を受けて、どうか良い子に、どうかすくすく育ってね。 沖縄方言の歌詞に、こんな思いが込められた。民謡歌手・古謝美佐子(元ネーネーズ)が、情感たっぷりに歌い上げる「童神」 (わらびがみ)だった。放送終了後、この歌は静かな反響を呼び、島唄関連のホームページ上で「何という歌?」「誰が歌っているの?」 といった質問が、飛び交った。この新しい子守歌は、老若男女を問わず瞬く間に人々の心をとらえた。 「童神」は、美佐子の夫で作曲家の佐原一哉が1996年暮れに作曲した。孫の誕生を4カ月後に控えていた97年2月、 美佐子がその曲に歌詞をつけ、作品が完成した。 (「琉球新報」の記事から http://www.ryukyushimpo.co.jp/meisaku/meisaku37/m020626.htmlによる。) なお、「童神」はれっきとした沖縄言葉であり、これの意味合いについても、上にあげた「琉球新報」の記事に詳しい解説があるので、 参照されたい。 |
作詞 古謝美佐子 作曲 佐原 一哉 |
天からの恵み 受けてこの地球(ほし)に 生まれたる我が子 祈り込め育て イラヨーヘイ イラヨーホイ イラヨー愛(かな)し思産子(うみなしぐゎ) 泣くなよーや ヘイヨー ヘイヨー 太陽(てぃだ)の光受けて ゆういりよーや ヘイヨー ヘイヨー 健(すこ)やかに育て 暑き夏の日は 涼風を送り 寒き冬来れば この胸に抱いて イラヨーヘイ イラヨーホイ イラヨー愛(かな)し思産子(うみなしぐゎ) 泣くなよーや ヘイヨー ヘイヨー 月の光浴びて ゆういりよーや ヘイヨー ヘイヨー 健(すこ)やかに育て 嵐吹きすさむ 渡るこの浮き世 母の祈り込め 永久(とわ)の花咲かそ イラヨーヘイ イラヨーホイ イラヨー愛(かな)し思産子(うみなしぐゎ) 泣くなよーや ヘイヨー ヘイヨー 天の光受けて ゆういりよーや ヘイヨー ヘイヨー 天高く育て |
2001年(平成13年)
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【蛇足】 オリジナルバージョンの歌詞を“ウチナーグチ”から“やまとことば”に置き換えたNHK「みんなのうた」バージョンが制作 された。掲出分もこれに依る(夏川りみ 唄)が、ファンの声では圧倒的にウチナーグチを良しとするものが多い。 歌は元赤い鳥、ハイ・ファイ・セットの山本潤子(「童神」 副題 「天の子守唄」 初回放送 2002年2,3月、 再放送 03.4-5 )。 (http://www.interq.or.jp/orange/mitumi/utakan/utafile/96175.htmによる) |