元歌は広島高師山岳部の部歌で昭和12年頃作られたといわれるが、昭和27年に当時九大生だった
松本征夫ほか2名が坊がつるの山小屋<あせび小屋>で替え歌を作り、これが山の仲間たちによって
広められた。
芹洋子は阿蘇高原のコンサートの折、会場にいた登山グループからこの歌を聴かされ、これがきっか けで昭和53年にレコード化された。 なお、歌詞は9番まであるが、ここではメロディーは4番までとしている。 |
作詞 神尾明正 補作 松本征夫 作曲 竹山仙史 唄 芹 洋子 |
1.人みな花に 酔う時も 残雪恋し 山に入り 涙を流す 山男 雪解(ゆきげ)の水に 春を知る |
2.ミヤマキリシマ 咲き誇り 山紅に 大船(たいせん)の 峰を仰ぎて 山男 花の情けを 知るものぞ |
3.四面山なる 坊がつる 夏はキャンプの 火を囲み 夜空を仰ぐ 山男 無我を悟るは この時ぞ |
4.出湯の窓に 夜霧来て せせらぎに寝る 山宿に 一夜(ひとや)を憩う 山男 星を仰ぎて 明日を待つ |
5 石楠花谷(しゃくなげだに)の 三俣(みまた)山 花を散らしつ 篠分けて 湯沢に下る 山男 メランコリーを知るや君 |
6 深山紅葉(みやまもみじ)に 初時雨(はつしぐれ) 暮雨滝(くらさめたき)の 水音を 佇み聞くは 山男 もののあわれを 知る頃ぞ |
7 町の乙女等 思いつつ 尾根の処女雪 蹴立てつつ 久住(くじゅう)に立つや 山男 浩然の気は 言いがたし |
8 白銀(しろがね)の峰 思いつつ 今宵湯宿に 身を寄せつ 斗志に燃ゆる 山男 夢に九重(くじゅう)の 雪を蹴る |
9 三俣の尾根に 霧飛びて 平治(ひじ)に厚き 雲は来ぬ 峰を仰ぎて 山男 今草原の 草に伏す |
1978年(昭和53年)
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