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美しき
スコットランド民謡
訳詞者  稲垣千頴

1.美しき わが子やいずこ
  美しき わが長(かみ)の子は
  弓とりて 君のみさきに
  勇(いさ)みたちて 別れゆきにけり

2.美しき わが子やいずこ
  美しき わが中(なか)の子は
  太刀(たち)帯(は)きて 君のみもとに
  勇みたちて 別れゆきにけり

3.美しき わが子やいずこ
  美しき わが末(すえ)の子は
  矛(ほこ)執(と)りて 君のみあとに
  勇みたちて 別れゆきにけり
1881年(明治14年)

これは「スコットランドの釣鐘草(The Bluebells of Scotland)」というスコットランド民謡に日本語の歌詞を付けたものである。釣鐘草はスコットランドの国花である。原曲は、若い娘が戦場に行っている恋人を想う乙女心を歌っている。スコットランド民謡の中では「アニー・ローリー」と並んで最も良く知られているものの一つだが、原曲の作詞は1799年とされているようだ。

日本語の訳詞は、ここに掲げる「美しき」という題で明治14年に稲垣千頴(ちかい)と野口耽介(とうすけ)とがそれぞれに訳したものと、年代は判然としないが原曲の題名そのままの「スコットランドの釣鐘草」という題で堀内敬三が訳したものとの3種類が見つかった。

前2者は、比較的に原詩に忠実な訳となっているが、堀内のものは釣鐘草の花を歌う形となっており、訳詞と言うより作詞である。私が記憶しているものは稲垣千頴訳であるが、その他の訳に関心のある方は次のサイトをご覧いただきたい。
(野口耽介訳詞)http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/utsukushiki.html
(堀内敬三作詞) http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/tsuriganeso.html