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ゆかりの唄
日活映画「緑の地平線」挿入歌

作詞 佐藤 惣之助
作曲 古賀  政男
唄 ディック・ミネ
朗読 星   玲子
1 都のともし灯 たのしく燃ゆれど
  わが胸は 露に蝕(むしば)むかよわき花
  涙にかがやく 初恋も
  ああ 短きは 乙女の命

※間奏が始まって3小節目から12小節目までの10小節で、
詩を朗読するという作りになっています※

(詩朗読)
   『ああ 傷つきぬ 我が胸は
	真白きリラの花のごと
	一人淋しく夕月に
	すすり泣きつつしのびつつ
	哀れ今宵も散りてゆく
	ああ 麗しの花よ
	汝の名は乙女
	儚く消えてゆく雪よ
	汝の名も乙女
	紅(くれない)染めし頬も
	緑の黒髪も
	つかの間の秋の嵐に
	散りてゆく』

2 高嶺の白雲 仄かに靡(なび)けど
  わが夢はさびし 浅間の煙のかげ
  嘆けどうつつに 消えゆきて
  ああ 短きは 乙女の命
1935年(昭和10年)

 昭和10年(1935)に発表された古賀政男の「緑の地平線」が大ヒットして、同名の映画が原節子、岡譲二などが出演して、日活多摩川撮影所で映画化された(原作 横山美智子、監督 阿部豊)。その映画の挿入歌として同じ作詞者・作曲者で「ゆかりの唄」というのが作られディック・ミネが歌った(共演していた星 玲子がその中で詩を朗読している)が、「緑の地平線」とは違って、こちらの方はあんまりヒットしなかったようだ。