杉並区の文化財巡り



  このページを作るにあたっていろいろ下調べをしたのですが、杉並区では国宝や東京都

 指定文化財が以外と少ないのです。ただ区内の神社仏閣に関連していくつかの文化財が残

 されているのでここに紹介したいと思います。


  まず、環七通り高円寺陸橋の南に区指定文化財の客殿・庫裏が建つ真盛寺があります。

 山門をくぐると、表通りの騒音がうそのように静かな境内が広がっていて、その更に奥に

 大正十四年に目白の旧細川侯爵邸から移築された客殿・庫裏が並んでいます。


  次に堀之内の"厄除けのお祖師様"として知られている妙法寺には、建物では区内で唯一

 の国指定重要文化財の鉄門があります。さらに仁王門、祖師堂、書院が都の有形文化財に

 指定されています。妙法寺は日蓮宗の名刹で、毎月の縁日(三のつく日)には出店も並び、

 門前町のように賑わいます。


  そして妙法寺の西側を通る荒玉水道の道を南西に10分程歩き、信号の手前を右手に少

 し行った所に杉並区の郷土博物館があります。この博物館には区指定文化財の旧井口家長

 屋門や旧篠崎家住宅が移築保存されています。入館料が大人100円ですし、昔の杉並周

 辺の人々の生活の様子が展示され郷土史等の図書も閲覧できますので、トイレ休憩がてら

 に見学するのもいいと思います。そして博物館の建つ場所は、激動の昭和史の数奇な運命

 を生きた愛新覚羅浩さんゆかりの嵯峨侯爵邸の跡なのです。


  郷土博物館からもとの道に戻りさらに5分ほど歩くと、右手に大宮八幡宮の大きな鳥居

 が見えてきます。大宮八幡宮は埼玉県の大宮氷川神社、秩父神社と共に武蔵三大宮と呼ば

 れ、武蔵野の面影が色濃く残る社叢(境内の森)が都の天然記念物に指定されています。

  境内はとても広く参道の両側にはつつじが植えられていて、一面に咲く四月頃にはそれ

 は見事です。また四季を通じて梅盆栽や皐月盆栽や菊等の展示会や植木市などが開かれて

 いて、いつも人出の絶えない神社です。


  本殿の西隣には高千穂商科大学がありますが、構内の奥には区内で一番古い木造学校建

 築物の武道場が残されていて、区指定文化財になっています。


  最後は少し離れているのですが気を取り直して北西に2km程行くと、環八通りから少

 し入った荻窪二丁目の静かな住宅街に鐘楼門の立つ中道寺があります。鐘楼と山門が一体

 になった珍しい建物で、やはり区指定文化財になっています。








杉並区の主な文化財一覧(建造物)
国指定重要文化財
鉄 門 妙 法 寺  堀之内3−48
 明治11年築 
都指定有形文化財
祖 師 堂 妙 法 寺  堀之内3−48
 文化8年築
 (1811年)
書院(御成間) 妙 法 寺  堀之内3−48
 文化11年築
 (1814年)
山 門 妙 法 寺  堀之内3−48
 天明 7年築
 (1787年)
区指定有形文化財
客殿・書院 真 盛 寺  梅里1−1
 明治26年築
庫 裏 真 盛 寺  梅里1−1
 明治26年築
旧井口家表門 杉並区郷土博物館  大宮1−19
 文化・文政頃
(1804〜1829)
旧篠崎家主屋 杉並区郷土博物館  大宮1−19
 寛政年間
(1789〜1801)
武 道 場 高千穂商科大学  大宮2−19
 大正 3年築
鐘 楼 門 中 道 寺  荻窪2−25
 天明 元年築
 (1781年)
道 了 堂 西 照 寺  高円寺南2−29
 ?年築
 (?年)




    アクセスガイド



  真盛寺・・・地下鉄丸ノ内線 新高円寺駅より南東に徒歩約500m

  妙法寺・・・        同  上         700m

  大宮八幡宮・・・井の頭線 西永福駅より北東に徒歩約500m

  高千穂大学・・・      同  上       400m

  郷土博物館・・・井の頭線 永福町駅より松の木住宅行きバスに乗り
          都立和田堀公園バス停で下車、東に徒歩約300m

  中道寺・・・JR中央線 荻窪駅より南に徒歩約800m





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