栃本関所役宅
秩父市大滝栃本、栃本関跡
秩父と山梨とを結ぶ秩父往還は古くからの街道で、栃本の地には戦国時代から関所が設けられ
ていましたが、甲州街道の裏街道にも当たる為に江戸時代もなお甲州から関東に出入りする人や
物の取り締まりが行われました。栃本関所の支配は関東郡代の伊奈氏でしたが、大村家が代々に
渡って関守を任され、その役宅が玄関や上段の間なども当時のままに残されています。なお戦国
時代の大村家は甲斐の武田勝頼の家臣でしたが、武田家滅亡後はこの地に移り住み、関守と栃本
の名主を兼務していました。
栃本関跡
関所のある秩父往還は現在
の国道140号で、山の中腹
にある栃本集落を通っていま
したが、トンネル開通により
バイパスが山の麓を通るよう
になりました。今は静かな山
村で段々畑を見下ろす関所前
からの眺めは大変良好です。
栃本関所役宅
元は箱根関所等で見られる
ような平屋の建物でしたが、
後に二階部分が増築されたそ
うです。もっとも箱根関所の
建物は現代の復元ですが、こ
ちらの二階部分以外は貴重な
現存建物です。
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