馬庭念流道場

高崎市吉井町馬庭、馬庭念流道場 




 一般的に剣道の稽古というと竹刀で打ち合うのですが、これは江戸後期に北辰一刀流を中心

に流行った方式で、それまでは木刀で稽古をするのが主流でした。しかし明治になると武士の

身分がなくなり廃刀令も出されて、剣道場が次々と潰れていきました。ただ、竹刀稽古の剣道

はスポーツ剣道に転向する事でその後の人々にも受け入れられ、現在では剣道と言えば稽古も

試合も竹刀で行うのがほとんどです。そんな風潮の中にあっても、馬庭念流は一貫して古武道

の型を継承し、今でも木刀での稽古をしているそうです。

 とは言うものの、剣道場まで武家屋敷かという異論もあろうかと思いますが、今では完全に

廃れてしまった流派も多い中で、建物も含めて現在まで古武道の道場として変らず続いている

のは、全国的にも珍しいと思うので取り挙げる事としました。



    馬庭念流道場


 この馬庭念流道場「倣士館」

は、江戸時代に建てらた長屋門

形式の道場で、いまでもこの建

物の中で稽古が行われているそ

うです。一方、この地は鏑川の

川岸近くにあり、中世には馬庭

城があったとされています。