細川内膳屋敷長屋門

桐生市菱町、泉龍院 




 市内菱町にある泉龍院の長屋門は、戦国時代に当地の領主であった細川内膳の屋敷門だったと

伝えられています。細川内膳は同市菱町付近を支配していましたが、隣接する桐生氏に館を急襲

されて滅んだそうで、大概は城館が落城する時には建物が炎上してしまうものですが、言い伝え

では、「桐生氏は細川内膳の馬が欲しくて襲った」とも云われていて、それで館には火を掛けな

かったのかも知れません。また「宴の最中に不意打ちされ、まともに応戦出来ずに敗れた」そう

で、そのような訳で建物は戦火に遭わずに残ったのかも知れません。




     内膳屋敷門


 泉龍院の山門は本堂の前に鐘

楼門があって、この長屋門は庫

裏の側に建っています。今も茅

葺屋根のままで保存状態は良さ

そうですが、ただ門の中には車

が止まっていて車庫として使わ

れているようです。






    長屋門の格子窓


 長屋門の内部は二階建て造り

になっていて上部には格子窓が

あり、いざ戦の時には鉄砲狭間

になったと云われています。

ただ、現在は寺の内側に向いて

開いているので、移築のときに

内外が入れ替わっているのかも

知れません。






    屋敷跡付近


 左の白い建物が菱町郵便局で

細川内膳の屋敷があったのは、

この菱町郵便局の裏辺りと伝え

られています。しかし現在は住

宅街となっていて、遺構などは

見当たりません。