川越城下永島家住宅

川越市三久保町、永島家住宅   




 川越市三久保町にある永島家住宅は川越城下で唯一の武家屋敷とされていて、南大手門跡にも

近い旧武家屋敷街に昔からの佇まいを見せています。この屋敷を拝領していたのは御典医(藩に

仕える医者)だったそうで、屋敷地や屋敷の規模から見て禄高として250石から300石程度

の中級藩士の屋敷と見られています。

 屋敷の前の説明板によると埼玉県内で武家屋敷が現存するのは、この川越の永島家住宅だけと

の事ですが、言われてみれば忍城下にも岩槻城下でも藩士の住宅は残っていないようで、確かに

貴重な住宅だと思います。以前は夏草が伸び放題でしたが、今は市の文化財にも指定されて多少

の手入れもされていて、毎月第三土曜日に一般公開されています。



    屋敷の石垣と生垣


 川越城下での生垣は枳殻と決め

られているそうで、その生垣が今

でも残っています。手前の石垣も

いかにも武家屋敷らしいのですが

本来は道に面して土塁が築かれて

いたのではないかと思います。






    永島家の屋敷門


 この門は武家屋敷の門としては

不釣り合いで数奇屋造りの雰囲気

ですが、明治以降の住民による造

りとの事でした。ここは是非とも

本来の武家門の様式に修復したい

ものです。






     永島家住宅


 内部の修復等はされているよう

ですが、屋根など外周部の修復は

まだのようで、さらに前面の戸袋

にはカラートタンが貼られるなど

外観は最悪です。ここは他の武家

屋敷のように綺麗に整備して欲し

いものです。





      庭の現状


 庭の整備もまだ手付かずのよう

で、立ち木の剪定等も行われず枝

も伸び放題ですが、整った庭園が

あるのも武家屋敷の特徴なので、

庭園が整備されたら再度訪問した

いと思います。