晴耕庵の談話室

NO.60



標題:イギリスの現状をテーマとして勉強中です

QUESTION

1999/10/1

ロンドン憶良さま

はじめまして
最近このページを楽しく拝見させていただいている京都の大学生で
す。
私はまだいったこともないイギリスになぜかとても関心があり、大学
においてただいま欧州統合においてのイギリスの現状をテーマとし
ていろいろ勉強しています。

とにかくホームページのわかりやすさ、楽しさにとてものめりこんでし
まっています。おいくつでいらっしゃるのかわかりませんが、このよう
なかわいいイラストを使われていることにとても驚いてしまいました。
これからもかわいく、わかりやすいイラストをみせてください。

欧州統合にむけて、ブレア党首のもとで積極的な動きがでてきてい
るイギリスは、目が離せない状況です。しかし私は日本にいながら、
どうして世界の金融取り引きの中心であるイギリスが統合にむけて
積極的でないのか?ということに興味をもち調べています。

帝国意識というものの存在や民族問題の状況、英語以外の言語習
得への意識の低さなどさまざまな面をみるためにホンをよんでいる
ところです。そしてできれば来年1年間イギリスのほうに留学できれ
ばと思っている無謀な私です。

そこでやはりわからないのが、人々の意識です。日本よりもはるかに
おおくの国々の人々が生活しているイギリスにおいて報道されている
ように人々のヨーロッパ人になろうという意識が、他のEU諸国にくら
べてひくいのでしょうか?

もし御時間がありましたら、御返事をいただきたいと願っております。

これからも楽しくみせていただく予定なので、新しい情報をどんどん
いれていってください

                         A.W.


RESPONSE

1999/10/02

A.W.さん

メールありがとうございました。
私もかっては銀閣寺町に下宿して学生時代を過ごしました。
ゼミで英国産業国有化論を取り上げ、私は石炭業を担当しました。
欧州統合などまだまだの時代でした。

>欧州統合にむけて、ブレア党首のもとで積極的な動きがでてきて
>いるイギリス

ブレア党首は思いきったことをやれる人物です。相当に思慮深いこ
とはダイアナ妃急逝の時、王室と国民感情を見事にコントロールし
た事にみられます。
彼自身は進歩的な考えを持っていても、急がず国民全体の意向を
じっくり見て慎重に行動するでしょう。

>帝国意識というものの存在や民族問題の状況、英語以外の言語
>習得への意識の低さなどさまざまな面をみるためにホンをよんでい
>るところです。

帝国意識というよりも、コモンウェルス英連邦意識が強いでしょう。
他の欧州各国と異なり、豪州やカナダ、さらにはアメリカなどの大国
とは深い関係にあります。これらの盟友に配意しているでしょう。

民族としては特にドイツ人に対して二つの大戦の反感が強いと思い
ます。
欧州の金融経済をリードしているのはドイツです。その金融の中心
はフランクフルトです。欧州通貨制度に加盟することは、シティの機
能をフランクフルトに明渡すことになります。
これはシティを育ててきた英国人にとって耐えられないことでしょう。
かってポンドはドルと並ぶ決済通貨でしたが、現在は基軸通貨では
ありません。

国際金融はユーロダラーが闊歩しましたが、シティはユーロダラーと
為替取引きでは依然として中心です。
欧州通貨制度に加盟しなくともEUやユーロダラーの決済市場さらに
は情報市場としてフランクフルトより有利な地理的社会的条件を生か
せると考えているのではないでしょうか。

国内で民族問題を抱えていますから、英国人は欧州統合の必要性
は理解できても、通貨問題はうまく行くかやや疑問に思っているでし
ょう。

私にも分かりません。これからも勉強です。

百聞は一見にしかず。若い時の留学はお勧めです。

                  ロンドン憶良


COMMONWEALTH

1999/10/5

ロンドン憶良さま

A.W.です。はやいお返事どうもありがとうございました。
とても参考になります。特にイギリス連邦としての意識ははじめての
情報でした。
私はこのイギリスの統合にむけての状況をぜみで発表した際にも、
帝国意識を理解してもらうことができたのですが、いまいち、この連邦
としてのヨーロッパ以外の諸国への配慮の意識についてのより深い
説明を求められてしまいました。

うーんこれからもっと勉強します。
またなにかおききすることがあるかもしれませんが、余裕のある限り
で結構ですのでアドバイスお願いします。

                                  A.W.より


INFORMATION

1999/10/6

Aさん

10月5日のBBC NEWSでスコットランドで行ったEUに関するサッチャ
ー元首相の最近の演説がトップニュースになっています。

彼女は「EUで起きる大きなトラブルの原因は欧州大陸(メインランド)
で起き、それを解決しているのはENGLISH SPEAKING NATIONSで
ある」と言っています。
演説の中でも「英国はEUの中でもBESTの国である」というほどプラ
イドの高い方ですが、英国(UK)国民にもこのような思想があることは
否めません。

かってチャールズ皇太子が「ENGLISH SPEAKING NATIONSよ、団結
しよう」と呼びかけたように、英連邦(カナダ、オーストラリアなど)とア
メリカの影響力は大きいものがあります。

ロンドン憶良見聞録「黄昏でない英連邦の絆」をご覧下さい。
英連邦の参加国をゼミで知らせてあげるとよくわかると思います。
シンガポールもインドもメンバーです。

                                   ロンドン憶良

INFORMATION

1999/10/10

Aさん

本日(10月10日)朝日新聞朝刊4ページ閑話休題に「国力としての
英語力」という題で、先般私が貴方に連絡したサッチャーの演説や、
英語圏の話が紹介されています。
ご参考にしてください。

                        ロンドン憶良

REPORT

1999/11/9

ロンドン憶良さま

御久しぶりです。 以前なにかと資料を教えて頂いたAWです。
実は来年一年間ロンドンに留学できる事になりました。
ご報告しておきます。

私自身今勉強している事はもちろんですが、ガーデニングなど日本
とイギリスの交流のきっかけとなっている産業を勉強してくる予定で
す。
正直語学がどこまで伸びてくれるのか心配ですが。(実家は田舎で
はありますが、花屋を経営しているもので、やはりイギリスにはこの
点でもひかれます)

インターネットのBBCニュースなどもみているんですけれども、実は
以前教えて頂いたサッチャー氏のコメントが原文でのっていないか
探してるんです。ブレア首相のスピーチはのってるので、簡単にみ
つかるかと思ったんですけど、やはりないのでしょうか。とりあえず今
は英語の勉強です。

それではまた
                        A.W.

CONGRATULATIONS.

1999/11/10

A.W.様

メールありがとうございました。
来年一年間ロンドンに留学とのことおめでとうございます。
どうぞエンジョイしてください。また最近の現地事情なども教えてくだ
さい。

ガーデニングいいですね。日本の中流家庭が英国のように広い庭を
持てると良いのですが。

サッチャー氏のコメント多分タイムズなどには出ているでしょう。

  ではまた             ロンドン憶良

THANK YOU

1999/12/03

ロンドン憶良さんへ

すいません。皆さんにご迷惑をおかけしてしまって。
そのお気持ちだけど大変うれしいです。 ありがとうございます。

今私の中では、やはりアイルランド自治政府の行方のニュースが一
番の興味どころです。
日本人の私にとって、宗教対立や人種間の対立の感情はなかなか
つかみにくいところです。

しかし、日本人はやはりもっと世界の自分達とは異なった価値観や
文化を理解しようとしていくことがこれからは必要になってくるのであ
ろうと思います。

UKにとって大きな問題であった北アイルランド紛争が解決にむかう
ことがおおきな意味をもつように思えます。

今は英語の勉強です。映画をおおくみて、日本にいる間に英語に慣
れる為にただ今奮闘中です。

                                  A.W.



標題:中国について

CHINA'S POWER

2000/1/13

ロンドン憶良さま

あけましておめでとうございます
ご挨拶が大変おくれましたが、昨年中はお世話になりましてどうもあ
りがとうございました。
いろいろ分からないこと教えていただきまして本当に助かりました。
今年も宜しくお願いいたします。
昨年はとうとう 時間が取れず、ロンドンに行くことができませんでした。

暮れに短い時間で 中国へ行ってきました。
ロンドンでは感じたことのないすごい底力のようなものに今圧倒され
ています。
向うでちょっとお話したおばあちゃんが住所を教えてくださったので
お手紙書いてみました。するとすぐに 御自分でおかきになった絵と
ともにお返事下さいました。 とても嬉しくてすぐに お手紙かきたいの
ですが、 なかなか表現できません。

その辺も今年は頑張ってみたいと思います。
それではこの辺で失礼いたします。

K.O.


SAME IMPRESSION

2000/1/13

K.O.さん

メールありがとうございました。
中国は1997年6月末(香港返還直前)から7月1日発まで北京に、1999
年8月には上海黄山蘇州杭州に行ってきました。
北京では日本で報道されなかった熱気を実体験しました。
また上海は改革開放の活気がありました。

この時の紀行文をHPに「ロンドン憶良の世界管見」という章を新設し、
英国以外の各国を語って見ようと企画しています。

本年もどうぞアクセス下さい。
                       ロンドン憶良
  


標題:黄山登山について

REQUEST GUIDANCE

2000/7/11

憶良様

私はこの8月,黄山を1人歩きしょうと思っています。特に準備すべき
こと,住・水・食・交通などでこれはというアドバイスがありましたら,よ
ろしくおねがいします。

私は,50歳の中年男性,黄山市街2泊,山の中2泊を予定している者で
す。8/17に出発します。

                                   O.

INFORMATION

2000/7/11

O.様

1 日程
黄山市街2泊,山の中2泊は大変ゆっくりとできるよい選択だと思いま
す。
山の気候の急変を考慮しますと、折角登山しても雨で見えないとつ
まりません。(私どもの2日目)

2 住
(1)山上の宿泊所
すでにホテルなどは手配済みと思いますが、山の上では北海賓館や
西海賓館(当方宿泊)なら安全かつ設備も行き届いていると思います。
小さい現地人対象の宿泊施設では英語が通用しません。

(2)黄山の麓
黄山の麓では桃源賓館に泊まりました。西海賓館と同様にテレヴィ
などでも紹介されている国際的なホテルですから安心です。食事も
美味しい。

(3)市内
黄山市といっても広いので、本来の市街(屯渓)は結構大きい町です。
市内を見た印象ではそこそこのホテルはあると思いますが、英語が
通用するかどうか知りません。

3 水
中国には二度旅しましたが、私どもはどこでもホテルの冷蔵庫のボト
ルを持参するようにしました。市販のはブランドによりいい加減なのも
ありそうで。

4 食
一般的に江南から黄山の食事の味付けは日本的で特別辛いとかま
ずいとかありません。
食材豊かです。お茶(緑茶)は名産地です。
やや高価ですが黄山名物の蛙とか茸の料理は美味しい。蛙は田蛙
ではなく渓谷の蛙です。
山上の天海招待所(庶民的公共宿泊施設か)で昼の食事をしました
が、強烈な火で炒めた麺類は美味しかったですよ。(英語通用せず)

山中には売店は殆どありませんので、カロリーメイトや飴やお茶など
適当にご持参ください。ごみ捨て場は道のそばにあり、終始掃除人
が掃除していて、実にきれいです。

5 交通
不便と思います。
黄山市から山の麓までは80キロぐらい離れています。黄山空港から
山の麓迄行く公共の乗り物はありません。(私たちはたむろするタクシ
ーをハイヤー)
黄山市内の黄山駅からは乗合バスが安くてあるようです。(もともと空
港からはチャーターの観光客が主で個人旅行のインフラは出来てい
ません)

空港付近は畑、地元民の貧相な宿泊施設や食べ物屋があるくらい
です。空路で往復する場合は、これらのタクシーと交渉するほかはあ
りません)

黄山市内のホテルに泊まられ、往復をバスでされるのであれば問題
ないと思います。

なお往復をタクシー利用しましたが、必ず途中でトイレ休憩があり、畑
の中の大きなみやげ物店にはいりますから、お含み置きください。

6 雨具
激しい雷雨に遭いました。幸い雨具は傘もレインコートも用意してい
ましたが、靴はウォーキングシューズでした。
出来れば軽登山靴(現地ではヤヤオーバーに見えますが)やトレッ
キングシューズがよいと思いました。泥道はありません。完全舗装か
石段です。

よい旅をお楽しみください。

                                 ロンドン憶良
THANKS

憶良様

早速ご回答いただきありがとうございました。
特に靴のことについてはどうしたものか悩んでおりました。と言うのも,
ケーブルカーを使わず麓から登るつもりですが,いくら石段が整備さ
れているとはいっても,3日も山を歩くと足に相当の負坦がかかり,まめ
に悩まされるのではないかと思ったからです。
少しオーバーと見られても構わないので,しっかり身支度して行くこと
にします。

その他のアドバイスも参考として中年の一人旅を楽しんで参ります。
〔言葉=中国語=は多少通じるのかなと思っています。)

                                    O



標題:歴史教科書には欠ける決断の背景の記述

MY OPINION


はじめまして、憶良さん。

私は、工学を学ぶ大学二年の学生です。
高校生の時は、哲学には関心があったのですが、どうも歴史には興
味が持てませんでした。
しかし、最近になってようやく歴史に興味を持ちだし、嫌いだった歴史
小説も読みはじめました。
歴史小説も読んでみれば面白いものですね。
いきなり歴史の教科書を端から端まで覚えようとしても、当然、つまら
ないですね。

僭越ながら、一つの決断を下すのにも色々な利害関係や憶測がある
であろうに、教科書では紙面の都合上かその部分が抜け落ち、事実
だけをかいつまんで記述してあるため、非常に薄っぺらいものになっ
ているように思います。
しかし、そのことにかこつけて歴史を学ばなくなるのでは、精神が貧困
ぎますよね。

憶良さんのページは非常に面白く書いてあるので、楽しく読めました。
今後も、執筆活動など、期待しております。
頑張ってください。


                                  SK

THANK YOU

SKさん

激励のメールありがとうございました。
雑学的なHPですが、歴史は人間が作っているものですから、人間
描写抜きにはありえませんよね。

人間に欲望や喜怒哀楽があるように、国家にもまた長所や短所があ
ります。あるときは惚れ、ある時は客観視して、私見をまとめています。

どうぞ今後もお出でください。

                                ロンドン憶良



標題:英国の家と日本の家の違い

HOUSING

2000/11/01

東京の短大に通っているのですが、ゼミでイギリスの文化を勉強し
ています。 先日宿題で「イギリスと日本の家の違い」というのがあり、
「イギリス文化」で検索したところ憶良さんのホームページにたどり
着きました。

このページだけでほとんど間に合い、大変助かりました!!
絵や図が多く、見やすいですし内容もとても解かり易かったです。
イギリスは行った事がないのですが、なんだか自分が行ったように
身近に感じてしまいました!(笑)

これからも良いページを作っていってくださいね。
ありがとうございました!

                                  K.K.




標題:「バイユーのタピスリー」

TAPESTRY RELATED

2000/11/16

ロンドン憶良様

はじめまして。
私は今、大学4年生で、フランス語を専攻しておりますK.I.と申します。
憶良さんのホームページを拝見し、今お便りを書いています。
憶良さんのページに行き着いたのは、
「バイユーのタピスリー」という言葉で検索していたのがきっかけです。

実は今、バイユーのタピスリーについて研究しています。
日本語文献が少ないので、英語や仏語とはいい付き合いです・・。
そんな環境もあり、憶良さんがタピスリーの紹介をなさっていることが
とても自分の励みや助けになります。

その中でも、タピスリーの縁に現れる寓話について研究しています。
寓話のモチーフが、登場人物と類似させることが出来、また寓話の
中の教訓が実際の中心場面での教訓につなげることが出来るといっ
た主旨です。
ヨーロッパ中世の美術作品といえば、キリスト教的主題のものがほと
んどなこともあり、このように歴史を物語った作品は貴重ですよね。
ゼミが西洋美術史ということもあり、美術的に論を進めるつもりです。

これからも楽しいページを作っていってください。

                                     K.I.

WELCOME

2000/11/16

K.I.様

メールありがとうございました。
「バイユーのタピスリー」をご研究されているよし拝見しました。

>その中でも、タピスリーの縁に現れる寓話について

縁にはいろいろな刺繍がありますね。
もし公開してよいものであれば、「談話室」にご寄稿頂ければ幸甚
です。

なお、すでにお読みかもしれませんが、
「THE BAYEUX TAPESTRY」 PHAIDON PRESS
second edition revised and enlarged 1965
194ページの大型本(写真150枚)があります。

                             ロンドン憶良




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