庭に出て芝生を刈ってみよう。電圧２２０ボルト、がっちりした芝刈機は
爆音をたてる。
芝生といっても、日本のゴルフ場の芝のようにサラサラと飛び散るよう
な種類ではない。不思議なことに、日の射さない冬にも青々として、ね
っとりとした逞しい草といった方が適切かもしれない。
初めのうちは広い庭に欣喜躍若、くっきりと芝目を作り、一汗かいて、
ビールを一杯飲むのも楽しかった。楽しかったと過去形で言うのは、理
由がある。この芝がまたよく伸びる。二週間も刈らないと見苦しくなる。
後ろ庭はともかく、前庭は隣近所との調和があるから、ほっとくわけに
はいかない。せっかくの休日が芝刈に追いまくられることとなる。
次頁へ