ロンドン憶良の世界管見


ニューヨークの悲劇余話(速報)


孤独な少年の激突の背後には何が?




 2002年1月5日、米国フロリダ州タンパでバンク・オブ・アメリカの
ビルにセスナ機が衝突した。幸いにも被害者は出ず、建物の破損
で済んだ。しかし世界の人々は「またもや!?」と思ったことだろう。

 フロリダ州はブッシュ・ゴアの選挙の帰趨を決めた因縁の州であり
また、昨年のニューヨーク・テロの一部の実行者が飛行訓練を受け
た州でもある。さらに、衝突した建物がアメリカの代表的な銀行の
ひとつでもあったからである。

 今日(2002年1月7日の朝日新聞によれば、チャールス・ビショッ
プという15才の少年は孤独であり、テロとは関係なくビルに衝突した
ように報道されている。

 しかし、1月6日のBBC WORLDの報道では、多いに異なる。

「チャールス少年はオサマ・ビン・ラディン氏と9月11日の事件に
同情的であったというメモが、事故機に残されていた。しかしその
メモには、少年は全くの単独行動であり、アルカイダや他のテロ・
グループとも無縁でると明記している。また、誰かを傷つけようとし
た意図があったという証拠は皆無である」
 と、現地の警察当局は発表というのである。

The Florida teenager who crashed a light aircraft into a skyscraper
was sympathetic towards Osama Bin Laden, police officials say.
According to a note found in the wreckage of the Cessna plane,
Charles Bishop "expressed sympathy toward Osama bin Laden
and the events of 11 September".

From his actions we can assume he was a very troubled young
man Bennie Holder Tampa Police Chief
He "clearly stated he had acted alone without any help from anyone
else," said Tampa Police Chief Bennie Holder.

Mr Holder said the youth was a loner, with few friends - and there
was no evidence he actually was linked to al-Qaeda or any other
terrorist group.

He said there was no evidence that Bishop was trying to harm anyone
else.



 孤独であったという少年の心象風景を知るよしもない。しかし、
何かに追い詰められた社会的弱者や貧困者などには、強いアメ
リカ富めるニューヨークなどに、生理的とも言える反撥があるのか
もしれない。

 しかし、日本の大手新聞とBBC報道の格差には驚く。肝心のこと
が報道されていないからである。さすがにNHKでは、この原稿作
成中にニュースで報道されたが、取り急ぎ、当ホームページ来訪者
には速報を知らせたい。

 問題は、NHKが触れない彼の心の内側である。
この深層心理と背景を解決しない限り、同種の事件は続くかもしれ
ないからである。

 
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