“神々自身”アイザック・アシモフ (ハヤカワSF)
ある日、存在し得ない (半減期が短いのでそんなに存在しているはずがない)
同位体が発見された。
それは、どうやら物理法則のとある定数が違う並行宇宙から、
何者かがこちら側のありふれた元素 (しかし、あちら側ではやはり存在し得ない)
と交換することによりもたらされたようだ。
並行宇宙からやってきた同位体は、こちらの宇宙の物理法則に馴染むにつれ、
放射線の形でエネルギーを放ち、無害な安定した元素に変わっていく。
そして、こちらにあった元素も向こうではエネルギー源になるようだ。
これで、人類とあちら側の生物はともに無害で無限のエネルギーを手に入れた!
しかし、そこには落とし穴が存在した。
それを見つけた科学者は警告を発しようと努力するが、
たっぷりとしたエネルギー源を得てしまった人々は、
それを失いたくはないがためにその警告を認めようとしない。
向こうの世界でも誰かが警告を発しようとがんばっているらしい…。
だが…。
三部構成で、第一部が地球、第二部は向こう側の世界、
第三部が月を舞台とした話となっています。
中でも、第二部の向こう側の世界の生物の話が凄いと思います。
余韻も残ります。
一気に読まずに、一部ずつ読んで楽しむとよいかもしれません。