2000/6/3(土) 大企業と闘う映画の2本立て
ゴールデンウィーク以来、映画に行ってないもんで、今日は思い切って「映画の日」に決めて出かけた。
上映時間の組み合わせから、「エリン・ブロコビッチ」と「インサイダー」を2本立てで観ることになったんだけど、これ、どっちも”大企業VS個人””大企業の隠し事を暴く”って映画なのね。しかも2本で5時間以上という長尺で、けっこうヘトヘトになってしまった(笑)。
まず「エリン・ブロコビッチ」なんですが、これはもうジュリア・ロバーツの”スター映画”で、これでもか・これでもかという勢いでジュリアがドアップで迫ってきます(笑)。
僕はコメディエンヌとしての彼女を非常に好んでいるのですが、今回はちょっと違ったイメージで実物大の女性を演じます。でも、これまでに何度かシリアスな役を演じて失敗していたのとは異なり、ちゃんと役柄に合っていて違和感はありません。
お話は、バツ2で子供を3人かかえるエリンがいよいよ貯金も尽き果て、仕事もなくて途方に暮れているところから始まる。学歴もなく、過去にさしたる労働実績もなく、服装も口のきき方もなってないエリンは当然のごとく就職先が見つからず、あげくに交通事故に遭っても有利だった裁判で罵詈雑言を飛ばしたために敗訴して人生最悪の事態に。万策尽きた彼女は、その裁判を担当した弁護士の事務所に乗り込んで無理矢理仕事を手に入れる。
たいした仕事もできない彼女は書類整理をさせられたりしていたが、あるときそんな書類の中にふとした疑問を発見し、調査をはじめたところ、大企業が隠している水質汚染問題につきあたる……。
誰にも見向きもされなかったロー・クラスの女性がひとつの発見から、人に頼られ、尊敬され、必要とされていき、そこに生き甲斐を感じて人生を変えていくというサクセス・ストーリー。
大企業相手の公害訴訟問題って、いろんな本を読んでいる限りではなかなか簡単に事が運ぶわけないのだが、この作品は(時間をはしょるためかもしれないが)妙にサクサクと物事が進んでいくので「?」って感じるのだけど、実話なんだから仕方がないか(笑)。
ま、その分、重くならずに観れる映画に仕上がっているのはジュリアのキャラクターに合ってるかも……ね。
パートナーとなる弁護士のエドがちょっと愛川欽也っぽくて、なんか微笑ましかった(笑)。
一方の「インサイダー」の方だが、こっちはヘビー!
もう冒頭から重い。特ダネを追い、真実を報道することに命がけで取り組む人気報道番組のプロデューサーを演じるアル・パチーノ。
そして、タバコ会社の研究部門で健康を害することのない商品を開発しようと意見してクビにされた博士を演じるラッセル・クロウ。
タバコ会社がひた隠す「タバコの害」について世間に訴えずにおれない博士と、その真実を報道しようとするパチーノの2人には、大企業からの悪夢のようなプレッシャーが襲いかかるのであった。
……と、これも実際に起きた事件なんだそうである。
真実を世に問うことは、簡単な話ではない。
岩をも動かすような信念と、まさに命がけの決意が必要である。
しかし、正義の行動が必ずしも報いられるわけではなく、ときには正しいことをする者を企業や政治は消し去ろうとする……
そんな事件を熱く、シビアに描いた本作は、ロマンスも派手さもないが、非常に観ごたえのある作品だ。
番組のインタビュアー(クリストファー・プラマー)の自分の”発言”へのこだわりも、また熱い。
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