泌尿器科医・木村明の日記


PSAなら俺に任せろ、と言いたいのですが。


[木村泌尿器皮膚科公式ブログ](2012年春)

私の作ったPSAのページの特徴は、前立腺体積から癌確率を計算するというもの。
読売新聞に紹介いただいた翌年の2008年は年間の生検数が45例でした。
昨年は34例。
PSA検診を行うのは内科開業医。ちょっと前までは、異常値ならすぐ泌尿器科に紹介されていたんでしょう。
患者さんは、紹介先の病院泌尿器科で一泊ないし二泊の入院検査の話をされて面食らい、
ネットでいろいろ調べて、当院のHPにたどり着く、というパターンで当院を受診する人が少なくありませんでした。
病院でも当院でも生検を行って癌が見つかるのは4割程度
見つからなかった6割は、PSAがさらに上昇しないかフォローするわけですが、
その役割が、病院の場合、泌尿器科外来ではなく、紹介元の内科医になってきました。
あまりにも症例が多く、病院の泌尿器科外来で抱えきれなくなったからです。
その結果、内科医もPSAが高い人を抱えざるを得なくなってきました。
で、PSAが高くても、本人が生検を希望しなければ、泌尿器科に紹介しないで様子見る、
という選択肢があることに、内科開業医も気付かれたのではないでしょうかね。
生検しないで様子見る、という方針は当院だけの特許ではなくなったようです。

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