泌尿器科医・木村明の日記


国際泌尿器科学会は見送り


[木村泌尿器皮膚科公式ブログ]

今年10月にベルリンで国際泌尿器科学会が開かれます。
演題を持って参加しようかと思っていましたが、断念しました。
実は、ベルリンに持っていく演題の仮題として、
Sextant biopsy with PSA density based criteria is enough for the detection of early prostatic cancer.
というのを考えていて、当院にPSA高値で来院された方のデータを纏めようとしていました。
当院は今年4月で開業6年を迎えます。
最初の3年にいらした方をリストアップし、その後、最低3年最長6年の経過を集計しようと考えました。
3年間にPSA高値を主訴に来院された方は231名でした。そのうち前立腺生検を受けた方は109名でした。
で、そのリストに基づき、カルテをチェックしてみると、指示通りPSAの定期チェックにいらしてくださっている方は7割でした。
3割の方は、何故かいらしていただいていませんでした。
これでは、集計しても意味がありません。
7割の方で、良い結果が出ても、
いらしていない3割が受診されない理由を説明できなければ、
私が導きたい結論とはまったく逆の考察も成り立つのです。
なので、今年の夏休みは、普通にお盆休みを取り、国内もしくはアジアを旅行するだけとするつもりです。
国際泌尿器科学会には1982年と1985年に参加しました。
1982年には、1歳の息子にテレビの形をしたオルゴール(ロンドン橋が落ちたの紙芝居が動く)をお土産しました。

1985年には、2歳になりかけの娘も一緒にウイーンに家族4人で行きました。
子供の歳はすぐに思い出せますが、
Gil-Vernet の拡大腎盂切石術の講演を聴いて、
あの腎洞鉤(特注の筋鉤:眼瞼鉤を少し大きくしたもの)が欲しいと思ったのはどっちの学会だったのかは、
すぐには思い出せません。
1984年日本に結石破砕装置が上陸したら、消えてしまった手術方法ですから、
たぶん、Gil-Vernet の講演に感激したのは、1982年のサンフランシスコの学会だったんでしょうね。

[木村泌尿器皮膚科院長日記一覧]