泌尿器科医・木村明の日記


来週土曜は午後休診です


私のコンサルタントもどき講演まであと1週間となりました。

7月3日(土)は、勉強会で前座(二ツ目?)を勤めるため、12時半で受付を終了させていただきます。

話すのは、診療圏調査だけではありません。

当院にはネットのおかげで遠方の患者さんが来てくださっていることも紹介します。

3年前に読売新聞に載ったのも出します。

未だに3年前の記事を宣伝に使うのか、とちょっと恥ずかしい気もしますが。

まあ、その関係で、質問されたときの答えのための復習です。

PSA densityによる癌確率表示の根拠のデータは」と聞かれたら、

平成11年7月16-17日 第8回日本腎泌尿器疾患予防医学研究会(倉敷).

と、

平成13年7月6日 第10回日本腎泌尿器疾患予防医学研究会(米子).

で発表しています(一人暮らししていた母親のところに行くために、あっちで発表していたんですね)。

「不必要な生検避ける、という方針は早期がんを見つけようというがん検診の目的と矛盾しないか」と聞かれたら、

「2次検診受診率の低さを上げる方法を一緒に考えましょう」、と逃げることにします。

横浜市での平成16年度PSA検査受診者数は、35,220人。

PSAが4以上で要精検と判断された人は3998人(11.4%)でした。

このうち2435名については、2次検診をどこに紹介したか、1次検診施設から回答が得られました。

このうち1293名(3.7%)につき、2次検診施設での検査結果が判明しました(残り1142名については、2次検診施設から回答がなく、集計できませんでした)。

1293名のうち、379名(1.1%)が前立腺癌と診断されました。

3998人ー1293人=2705人は、

2次検診をする施設への紹介を拒否したか、

紹介状をもらったが受診しなかったか、

受診したが、前立腺生検を拒否したか、

2次検診施設の医者がアンケートに協力しなかったか、

とにかく、PSA検診を受けて、PSAが4以上だった人の3分の2が、フォローアップされていないのです。
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