6箇所生検の理論武装
勤務医の頃は時には図書室で英文雑誌をみたりしていましたが、
今はMRさんが持ってきてくれる和訳された抄録集が、海外の論文を知る手がかりです。
翻訳ソフトを使っているのかもしれませんが、結構新しい論文の抄録が日本語に訳されています。
入院での針生検が6箇所生検から10~12本に移行しつつあるなかで、
日帰り6箇所生検を続けている私を、すごく励ましてくれる論文が出たのに気づきました。
前立腺肥大症の薬を作っている製薬会社が作ってくれている抄録集ですが、
自社の製品のCMになる論文ばかりでは医者が読んでくれない、と判断したのでしょうか、
前立腺癌に関する論文も取り上げてくれていたのです。
PSA検診で死亡率が低下することを示したヨーロッパのスタディーのデータに別の光を当てたものです。
PSA検診群が72952人と対象群が89435人。この16万人のデータはいろんな解析に使えるのです。
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MRさんにお願いしてオリジナル論文を取り寄せてもらいました。
これを私の言葉で訳して、
日帰り6箇所生検の正当性を主張する武器にしたいと思っています。
P.S.私の言葉で訳してみました。
ここにアップしました。
タイトルから期待したほどのデータはありませんでした。
ERSPCのボスが書いた論文でも、権威あるThe New England Journal of Medicineに載るか、European urologyにしか載せてもらえないか、
差があるわけです。ある目的のためにデザインされたスタディーを2次利用するのは、やはり制約を伴います。
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